B 社では、フロントマンを「組合コンサルタント」、管理員を「組合コミュニティプランナー」と新たに定義づけ、教育・研修のやり方・考え方を一新した。フロントマンはこれまでのような御用聞きから「組合のコンサルタントとして自ら積極的に提案・アドバイスする」という発想に切り替えている。管理員も「いつも現場にいる」というメリットを活かし、これまでのような単なるお掃除屋さん、クレーム第一対応者などではなく、「管理組合のコミュニティ形成の中心的存在」として、その重要な役割を担うべきであるとの発想へ展開したのである。これは、マンションにおけるコミュニティ形成の充実度合いは、管理の質の善し悪しにも大きく影響するため、管理員がある種の接着剤的存在となって組合員間のコミュニケーション機会が増えるような施策を講じるということである。
C 社では、他社とは差別化が難しい事務管理業務の内容をビジュアルに訴えわかりやすい表現方法に変更し、パンフレットやHP などに反映させた。またD 社では管理員とフロントマン、そして管理組合理事長とのやり取りを記事にした組合向けの小冊子を作成し、定期的に配布し始めた。E 社では、自社の管理先で発生した成功事例(お客様に喜んで頂いた、評価して頂いたようなエピソード)を毎月全組合員に対して発信し始めた。いずれもお客様に対して自社の正確な情報をわかりやすく、説明するという行為であり、ここでの重要なポイントは「会社として対応する」という事である。通常管理組合から見れば、それぞれのマンションは担当のフロントマンにその責任と権限がほぼ全て委譲されているように映り、「管理会社」そのものや、フロントマンをバックアップしている「会社への信頼性」という観点を感じにくい。お客様からみれば「管理会社=フロントマン or 管理員」であり、会社そのものを感じることは少ない。そのような現状の中で「会社自体」を訴求する事は顧客にとっては新鮮であり、そこからの会社に対する信頼感・安心感を得ることは、比較的容易である。よって会社の強み(姿勢)を全面に打ち出した「魅せる管理」は、他社との差別化を訴えたい今のマンション管理会社にとっても最も重要な施策のひとつであるといえよう。