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コンサルティングレポート

我国の住宅市場の今を考える

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[2008年08月29日]
さて今回は、昨年から低迷が続いている住宅市場の現状についてその要因を探ると共に今後の動向を予測してみたいと思います。

マンションデベロッパー発 破綻の連鎖が始まった

昨年6月の改正建築基準法の施行後、住宅着工数は前年実績割れが続いています。住宅の値上がりを嫌気して需要が冷え込んだところに、鋼材など資材高がマンション開発会社や関連する総合建設会社(ゼネコン)などの体力を奪っています。
帝国データバンクによると不動産業の倒産件数(負債総額1千万以上)は1月の30件から6月には1.5倍の46件まで増加しました。負債総額50億以上の大型倒産も増えました。その中にはここ数年、飛ぶ鳥を落とす勢いで調子の良かったマンションデベロッパー、上場会社なども含まれています。(この原稿を書いているまさに今、アーバンコーポレーションの民事再生申請の情報が入ってきました。負債総額2558億円。今年最大の倒産です。)
それを受けて、不動産経済研究所が発表した7月のマンション市場動向調査によると、首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比44.5%減の3554戸となり、11カ月連続で減少しました。契約戸数は1902戸で、月間契約率は前月より11.2ポイント低下の53.5%になりました。8月の発売戸数は2500戸前後の見込み。 同時に発表した近畿圏の新築マンション発売戸数は前年同月比29.5%減の1786戸となりました。契約戸数は1006戸で、月間契約率は前月より8.2ポイント低下の56.3%。8月の発売戸数は1100戸前後の見込みだそうです。
このように需要側、供給側双方とも暗雲立ち込める現状の市場に嫌気して、売り控え、買い控えの傾向が鮮明になってきたといえる。更には、マンション開発会社の相次ぐ経営破綻がゼネコンなど取引先企業の経営を直撃し始めています。

人口・世帯減少が直撃する住宅市場

上記のような現状をもう少しマクロ的な観点からその要因を探ってみると今の日本の住宅マーケットにおける構造的な問題が見えてきます。我国では少子高齢化が進行し2004年から日本国内の総人口が減少し始めています。
総世帯数については若年層、高齢者の単身世帯が牽引する形で2015年までは増加する見通しでありますが、核家族世帯については2010年頃をピークに減少に転じるという予測が出ています。住宅は人が生活する場である事から当然、人口・総世帯数の減少が住宅市場に与える影響は大きいと言えます。また2006年には住生活基本法が施行され、いよいよ本格的に住宅ストックを活用していく動きが出始めています。
住宅ストック数の活用は、中古住宅市場の拡大につながり、新規住宅着工にも影響を及ぼす可能性があります。「新築・持家」志向の強い日本人ではあるものの、より低価格の「中古」、利便性・柔軟性の高い「賃貸」を志向する消費者も出はじめるなど、人々の「住まい方」に対する考え方も多様化しはじめています。
このように総世帯数減少の影響が直撃するうえ、リフォーム市場や中古住宅市場が徐々にではあるものの形成されていくことにより、新設住宅着戸数はますます減少していく可能性が高いといえるでしょう。
国内総生産の約2割を占める建設・不動産業。(2006年名目GDP換算。建設業6.8%、不動産業11.9%相当)両業界の日本経済に及ぼす影響は非常に大きいものといえるでしょう。建設・不動産業界の活性化が我国の経済的躍進にまだまだ必要不可欠であるということを、肝に銘じながら、私も日々のコンサルティング業務に携っていきたいと思います。


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(株)船井総合研究所 経営コンサルタント 久木田光明

船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。



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