リアルエステートビジネスチーム

TOP > コンサルティングレポート > 100年に1度の変革期に今なすべき事とは
コンサルティングレポート

100年に1度の変革期に今なすべき事とは

印刷用ページを表示

[2009年1月16日]

【昭和の大恐慌との共通点】

麻生首相は今回の世界的な経済不安を「100年に1度、未曾有(みぞう)の事態」といって、色んな意味で話題となりましたが、読み方の誤りはさておき(笑)、言っている事は正しいと感じます。
例えば、1929年の昭和の大恐慌と比較するとおもしろい共通点が垣間見る事ができます。その数年前、アメリカの1%の富裕層が持っていた資産は、アメリカ全体の6.5%であったのに対し、1929年6月にはその割合が20%を超えていました。2000年頃やはり1%の富裕層が持っていた資産は7%程度だったのに対し、今年7月には21%になっています。「富の極端な集中が大恐慌のキッカケ」といえるのかもしれません。
ちなみに当時アメリカでは1932年には、株価が89%も下落。失業率は25%を超えていました。もし今回のサブプライに端を発した金融恐慌が、昭和大恐慌と同じレベルだと考えると、株価も、失業率もまだまだこれからという見方もできます。
11月25日現在、週明けにシティグループに新たな救済策(公的資金200億ドルの追加資本注入ほか)がまとまったことを受けて、24日のニューヨークダウは400ドル近く上昇。更にそれを受けて今日の日経平均は午前中で8000円を超える上ぶれで推移しています。
まだまだ予断を許さない世界情勢ですが、そんな中、不動産を取り扱うビジネスを展開する企業はどのように、この現状に立ち向かっていけばよいのでしょうか。

【事業縮小と投資とのバランス】

不動産業界においても、その影響は計り知れません。採用状況を見ていても良くわかります。新卒においては09年4月入社予定の内定取消し、更には10年の採用縮小が進んでいます。またキャリア採用においても同様に、各社とも現在、停止もしくは縮小傾向にあります。
言うまでもありませんが、不動産業種において人の採用は最も重要な投資の1つです。業界全体が下降トレンドの中、事業を縮小し、冬を耐え、来るべき春を待ち望む、このような戦略をとる、もしくは取らざるを得ない企業が多いのが現実でしょう。
一方で、これは不動産業種に限らないのですが、我々のように多くの企業を客観的に見ることができる立場にいると、「景気の波を受けながらも、常に一定の成長を実現し続けている企業」の共通点がいくつか見えてきます。
その1つに挙げられるのがキャッシュフローの動きです。キャッシュフロー分析についての詳細はここでは避けますが、私が最初に必ず見ているポイントは「営業キャッシュフローと投資キャッシュフローのバランス」です。
営業キャッシュフローとは本業で稼ぎ出した純キャッシュ、投資キャッシュフローは投資のためにつぎ込んだキャッシュの量ということになります。健全な企業は営業キャッシュフローで稼ぎ出したキャッシュを将来のために、投資キャッシュフローで使うということになります。ちなみに営業キャッシュフロー(通常プラスの値)と投資キャッシュフロー(通常マイナスの値)の和をフリーキャッシュフロー(以下FCF)といいます。
持続的に成長をし続けている企業は、この2つのキャッシュフローがどのような動きをしているのかということが非常に重要です。それは、営業キャッシュフローを上回る投資キャッシュフローが続く期間(つまりFCFがマイナス)を経て、営業キャッシュフローの範囲内で投資キャッシュフローが続く期間(つまりFCFがプラス)に至り、またFCFがマイナスとなる期間に入っていく。おおよそ5年の間に一回転するプロセスを踏み続けている企業は、非常に健全で、将来的にも安心であるという事が見えてきます。
つまりこれは、営業キャッシュフローの増減が多少あろうとも次への仕掛け(投資)を継続し、大きく仕掛ける時と(投資期=FCFがマイナス)としっかりと本業で稼ぐ時期(安定期=FCFがプラス)を繰り返している企業であると見る事ができるのです。
事業縮小とは基本的には営業キャッシュフローの減少につながります。逆にいうとそれはこれまで戦略的な投資を行ってこなかった結果と言えるかもしれません。事業とは1年単位で捉えられるものではありません。100年に1度の変革期にこそ、次への準備を怠るべきではないはずなのです。

印刷用ページを表示



この内容に関するお問い合わせは……
お電話、メールにて受けつけております。お気軽にお問い合わせください。
Webフォームからのお問い合わせはこちらをクリックしてください。


(株)船井総合研究所 経営コンサルタント 久木田光明

船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。



過去の一覧を読む

            
リアルエステートビジネスチームのご紹介
コンサルティングフィールドについて
コンサルティング実績について
コンサルタントのご紹介
プレス実績
リアルエステートビジネスチームブログ
メールマガジン無料配信登録はこちら
メールマガジンバックナンバーはこちら