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「不動産の収益性を向上させる」ことに収束すべき
[2009年2月26日]
不動産における価値とは、今ではその不動産が生み出す収益性。収益還元法による価値の定義づけが一般化されてきました。
「かんぽの宿」の問題が世間を賑わせていますが、入札プロセスの透明性やオリックスの関り方に関する問題はさておき、当初、言われていた「作るのに2400億円かかったのに、何でそれが109億なの」という論理は、不動産取引の実態を知っている皆様から見れば、何の説得力もない意見だということがお分かりかと思います。
当該70施設は毎年40億から50億の赤字状態で運営されています。その時点で収益還元法による不動産価値、つまりNOI(ネットオペレーティングインカム)の値はゼロになります。また古い宿もあるはずなので、相当のCAPEX(修繕、設備投資といった資本的支出)を積んでおく必要があります。当然、インカムの増加(宿泊費のアップ、客数の増大)などは、今のご時世、期待できない。となれば、CAPEXを差し引いたNCF(ネットキャッシュフロー)は、非常に厳しい数字を想定せざるを得ないということになります。
繰り返しになりますが、取引の透明性や、109億という数字の妥当性については、正確な情報を持っていないので我々も判断しかねますが、「イニシャルコスト(2400億円)と現在の不動産価値を比較する」という考え方が今の実態にはあっていないということは言えるでしょう。
このように不動産の資産価値とは収益性であり、資産価値の向上とは収益性の向上であるといえます。今の時代、不動産に関る全てのビジネスはこの視点を避けては通れません。賃貸マンションやオフィス、商業施設は言うまでもありませんが、住宅という不動産もまた広義の収益性という観点を持つ必要があると考えています。
例えば、「仮に賃貸で貸すとした場合の自宅の収益性は?」という視点や、前回ご紹介したスムストック制度のように「より長く住まえることを前提とした現在の物件の市場価値は?」という視点はこれから、不動産保有者にとって重要な観点になってくると思われます。
つまり、自社の商品・サービスを提供することでお客様が不動産保有者になるという企業、また既に不動産を保有しているお客様に対して様々な商品やサービスを提供するあらゆる企業は、これまでのような請負業的、また代行業的モデルだけでなく、より不動産保有者の立場にたった収益性を重視したサービスが必要不可欠になってくると思うのです。極論を言えば、どの事業もAM、PM的視点が必要であると。
それが、ビルメンテナンス会社であっても、売買仲介会社でもあって、管理会社であっても、全ての業務が不動産の収益性向上につながっているという視点をもって、不動産の保有者と同じ目線で「どうすれば最も不動産の価値、つまり収益性が向上するかをともに考える」というスタンスが重要だと思うのです
これからの不動産ビジネスの進むべき道は2つしかないと考えています。
「高付加価値化」、もしくは「ローコスト」です。そのうち「高付加価値化」とはすなわちあらゆる業務を収益性向上につなげる手法、考え方、それを具現化させた商品、サービスの提供に他なりません。
歴史は長いにも関らず、不動産まわりのビジネスモデルはまだまだ旧態依然としたものが多いのも事実です。まだまだ変革のチャンスはあるはずなのです。
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















