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消費者の長期化する購入検討期間に対応した販促戦略
[2009年4月8日]
先日、我々のクライアント先である不動産会社でのコンサルティングの際に、話題にあがったお話です。リクルートの「注文住宅と住宅設備に関する動向調査」によると、住宅購入者の購入検討期間が年々明らかに長期化しているというデータが出ていました。05年調査と07年調査では、この購入検討期間がおおよそ5ヶ月も延びているという結果です。
この結果が示唆することころは、大変重要だと思っています。「検討期間が長期化している」という事実もさることながら、なぜ「長期化」しているのかという、その背景を押さえる必要があると思います。私どもが考える仮説は、インターネットの浸透により「『検討』という概念をつくる起算点が確実に早くなっている」ということです。
以前なら、家を買うにしても、売るにしても、具体的な情報の収集や、物件を検討する為には、モデルルームや不動産会社を直接訪問し、対面で話を聞かなければなりませんでした。その前段階の状態であったとしても、少なくとも電話をかけて話を聞くという、主体的な行動を取らなければなりません。
つまりこれは、消費者の行動特性という観点でみれば、ある程度の「決意」、もしくはその行動をとる為の、あるレベルでのインセンティブ(動機づけ)が必要であったと思うのです。
「電話かけるぞ!」とか「モデルルーム行くぞ!」というように行動を起こす為のハードルが存在し、少なくともそのハードルを超えたお客様が「問合せ」という主体的な行動を起こすというわけです。
それがWEBの発達により、家にいながら、何の決意も動機付けもなしに、必要な情報を自ら選択し、詳細に知る事ができるようになりました。WEBでのサービスも高度化し、パンフレットやチラシの閲覧のみならず、いまやバーチャルモデルルームやネットでの無料査定など、検討者にとってより手軽に情報を得られる環境が整っています。
この初期情報獲得の手軽さが、検討起算点の早期化を促し、結果的に検討期間が長くなっているということです。
さて、このような事実はわれわれ(供給側)に対し、これまでとの戦略の転換、特に販促戦略(見込み客集め)の転換を迫るものと言えるでしょう。
WEBによって手軽に問合せができるようになったということは同時に問合せ段階、つまり企業が見込み客と初めて接点を持つ段階においては、その見込み客の多くが、まだ決断を下すまでには相当時間を有するケースであるという可能性が高いという事が推測されます。もっと言えば、決断をするかどうか、いつ決断するかも、まだまだ不確定な状態にある見込み客(問合せ客)が増えているということです。
かつての見込み客という概念は、お客様自身が、不明慮ながらも、少なくとも購入期日のイメージや、最終的に購入に至る決定要因などを持っているケースが多かったように思います。TELや訪問など、問合せをするまでにある程度の動機付けや決意が必要であったからです。
このように「見込み客」の定義、概念が変化しつつあることは企業の販促戦略に次のような転換を求めることになります。
- 見込み客集めの中心をWEBに転換する必要性
- 見込み客を、ある程度中長期の視点で暖め育てる戦略の必要性
ここは、会社が仕組みとして、できるだけ手間とコストをかけずにただし、継続的にお客様との関係が繋がり続けるルールを構築する必要があるといえるでしょう。
販促費の使い方も単純に情報露出という「宣伝広告」の費用をできるだけ効率化し、その分を継続的追客費用にあてる。このような考え方が必要不可欠であるといえます。この考え方は、不動産を売り買いする業種のみならず、そもそも購入検討期間が長いビルメンテナンスやマンション管理会社といった、ストックビジネス業種においても同様の考え方が必要です。
「変化に対応する企業のみが生き残る」その1つの典型的な事例と言えるのではないでしょうか。 是非参考にしてみてください。
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















