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不動産市場はもうすぐ回復するのか
[2009年8月31日]
~今の不動産市場の回復にはファンダメンタルズの回復が必要不可欠~
ここにきて、日本のみならず世界の様々な経済指標に、景気の底打ちを感じさせるような明るい材料が見え始めています。顕著なものとしては株価。日経平均もここ数日、今年の最高値を更新しつづけ、10,500円を超える値をつけています。NYダウをはじめ諸外国の株価指標もこの1ヶ月、堅調な上昇を示しています。
果たして今のこの状況は、「100年に1度の経済危機」と言われた今回の世界的な景気低迷の本格的な回復を示していると言えるのでしょうか。また、そこから不動産市況の回復は近いといえるのでしょうか。
今の日本の不動産が抱える問題は、07年の夏頃から表面化してきたサブプライム問題の影響を受けていた段階とは異なっています。当時は、サブプライムローン問題によるデット資金の収縮によって、不動産取引量の減少や、結果として不動産価格が下落したことが大きな問題でした。これによって、J-REITやプライベート・ファンド、不動産ディベロッパーが大きな痛手を受けたことは、言うまでもありません。
この時期であれば、不動産市況の回復は金融市場の信用収縮の解消によって、実現されていたかもしれません。各国の政府が未曾有の金融安定化策を講じて、徐々に資金の流動性があがってきているからです。
しかし、現在の不動産マーケットが置かれている状況は、これに加えて「実体経済の悪化」という質の異なる要因の影響を受けています。つまり、金融マーケットのみならず、経済の落ち込みが深刻化したことによって企業のコスト負担力が低下し、空室率が上昇、賃料が下落するという状態に陥っています。
一般的に、賃料の変動は不動産価格の変動と比較して安定的であると言われてきました。
しかし今回のリーマンショック以降の賃料の動きを見ていると、このルールには反するような動きを見せています。東京ビジネス地区の募集賃料、空室率は、リーマンショック後の不動産価格の下落を追いかけるように、悪化しました。空室率は、以降、今になっても改善されず、その値は7%に迫る勢いです。
このように今の不動産マーケットは日本のファンダメンタルズに大きな影響を受けています。特に、今回は不動産価格の変動と連動する形で賃料や空室率も悪化しているという特殊要因もあります。つまり、日本の実体経済の本格的回復なしには、不動産市況の回復も容易ではないと言えます。
では、冒頭の話に戻りますが、今の株価の動きや他の経済指標の回復から窺える景気の底打ち感、回復基調は本物なのでしょうか。
結論からいうと、残念ながら本格的回復はまだまだだと考えています。1つは雇用。景気を反映する指標の中でも、遅行指数といわれている雇用指標が未だ不安定であるという点です。それから株価の上昇もまだ本格的回復と判断するには早すぎるように思います。米国を筆頭に世界20カ国で一斉に、大量の資金を市中に流通させて、景気を刺激しているため、株式市場のこの程度の上昇は当然といえなくもありません。
実際、1930年代の大恐慌でも、株価はいったんマイナス47.9%下落したあと、半年をかけて「半値」を戻し、その後89.2%下落したという例もあります。
8月末は衆議院の総選挙です。自民党、民主党をはじめ、各党から様々な政策提言がマニフェストに盛り込まれています。今このタイミングで国民の代表を選択することは、今後の日本の行く末を占う上でも非常に重要な事だと思われます。民主党のマニフェストに「不動産仲介の両手を禁止」という内容が盛り込まれており、業界でも話題となっていますが、それ以外についても、十分に内容を精査し、我々一人一人が本気で選挙に臨まなければならないのだと思います。
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















