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不動産管理ビジネス業績アップのポイント ~規模の経済と経験曲線効果を意識する~
[2010年4月5日週刊ビル経営第663号掲載]
事業の経済性を考える際に、なかでも特に私どもが今最も力を入れて取組んでいる不動産ストックビジネス(不動産管理ビジネス)において規模の経済(economy of scale)と経験曲線(experience curve)に対する理解は、必須であると言えるでしょう。
規模の経済とは、コストを固定費と変動費にわけて捉え、固定費はそれを割り引く母数(規模)が大きくなればなるほど単位あたりの固定費が小さくなるので、結果的に単位あたりコストが下がるという考え方。経験曲線とは累積経験量が増すにつれて、例えば従業員の業務スキルや会社として効率化のためのノウハウが溜まっていき、結果的にはそれらによってコストダウンを図る事ができるという考え方。
これらの考え方を正確に理解したうえで、単位あたりのコストの低減を図ることは、事業経営を進めていく上で、特に不動産管理ビジネスのような管理戸数や棟数を増やしながら効率性を上げていくビジネスにとって、最も重要な経営課題の1つと言えます。
例えば、不動産管理ビジネスの場合、横軸に規模(つまり管理戸数)、縦軸に経営効率をあらわす指標のひとつROA(return on assets)を取った際に、通常であれば、管理戸数が増えれば増えるほど、ROAが高まる、つまり右肩上がりの曲線を描く姿が健全であると言えます。ただ実際には、ある戸数までは右肩上がりになっているにも拘らず、その戸数を超えるとROAが下がってくるケースが往々にしてあります。
皆様の企業において、経年でこの管理戸数とROAのバランスを見た際に、その曲線が横ばいもしくは右肩下がりの場合は、何らかのコストにおける問題を抱えているといえるでしょう。
不動産管理業界においても近年は競争が激化し、新規で受託する際の積算価格については、かなりそれぞれの企業にとってストレスを強いられる価格を提示せざるを得ないケースが増えています。ただ上記の考え方を前提にすれば、新規で管理を受託する際の積極的な積算価格の積算方法も見えてきます。
仮に今の固定費、変動費を正確に把握し、それらを単位あたり(棟あたりなど)で按分できているとすれば、そこから導き出される単位当りの現状の利益というものがあるはずです。通常の売出価格(積算価格)は、換言すると、このような現在のコスト基準に基づいて、現在の単位あたり利益を確保した上で、必要な現在の単位あたりコスト(固定費・変動費)を積みました結果と言えます。
ただ不動産管理ビジネスにおいて、積極的な棟数・戸数の増大を狙う場合の戦略的な提示価格というものは、将来管理棟数(戸数)が増える事により、「規模の経済」及び「経験曲線」効果によって、削減できる固定費や変動費をシュミレートした上で、そのコストに基づいた戦略的な価格を提示するということも、検討しなければなりません。
これは単純に、競合他社に勝つ為の安易な低価格路線を邁進するということとは全く異なります。当然、その価格を提示したからには、目標とする規模の拡大を絶対条件としなければなりません。ただそこには固定費の削減という企業全体の努力とバランスをとって利益の確保に努めなければならないと言えます。このコントロールがまさに経営であり、経営者の役割において重要なものの1つであるといえるのです。
また、このような志向を経営者のみならず全社員が理解し、自ら発生させているコストや利益が会社全体の構造として、どのような形になっているのかを理解するという効果は、単にコスト削減効果に留まらず、従業員の経営への参画意識、モチベーションのアップ、従業員間での感謝の意識を醸成させる効果があるという点も、付け加えておきます。
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















