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不動産市場分析について ~4象限モデルからみる不動産市場の構造分析~
[2010年5月3日週刊ビル経営第667号掲載]
不動産市場の長期均衡を理論的に裏づけるものとして「4象限モデル」というものがあります。4つの象限で示される関係性が互いに作用し、長期的には均衡点に収斂していくというモデルです。第1象限(右上)は横軸にストック量と縦軸に賃料をとり、ストック量(ストック面積)と賃料との関係を表します。
ストックが増えると賃料が下がり、ストックが減ると賃料が上がります。いわゆる需要曲線と同じ右肩下がりの曲線を示します。第2現象(左上)では、賃料と不動産価格との関係をみます。第1象限の賃貸市場で決まった賃料に基づき、不動産価格が決まるという考え方です。ここでは、賃料が上がれば価格も上がる正比例の関係にあり、傾きが利回りという事になります。第3象限(左下)では建設市場を表しており、不動産価格によって新規建設着工面積が決まります。
理論上、長期的には価格と建築コストは同額に収斂していくという考え方に基づき、価格と新規建設着工面積は正比例の関係にあります。最後の第4象限(右下)ではストック調整市場として、第1象限のストック量に第3象限の新規建築面積が加わる形でストックが調整されます。当然、新規着工面積とストック量との間には正比例の関係にあります。
このように、第1象限で現在のストック量が所与として与えられれば、それにより賃料が決まり、第2象限では決まった賃料に基づき、不動産価格がきまり、第3象限では決まった不動産価格に基づき、新規の建築着工面積が決まり、最後、第4象限では当初のストック量に新規の建築着工面積が加わる事によって新たなストック量が形成される、このようなモデルを簡易でわかりやすく指し示したのがこの不動産の「4象限モデル」というものです。
このモデルに基づくと、今の日本の不動産市況の構造的な問題をすかしてみることができます。例えば、第1象限において「インフレ」という外部要因が働くと、需要曲線が右上にスライドします。つまりストックに変化が無くても賃料が上がります。また第2象限においては、投資家の期待利回りがあがると曲線の傾きが緩やかになり、同じ賃料であっても不動産価格が上昇してしまいます。
第3象限では価格(=コスト)と新築着工面積の関係を示しているので、建築基準法など法規制が厳しくなったりすると、これまた曲線の傾き緩やかになり、同じ価格であっても新規建設着工面積が減少することになります。
このように、市場の外部要因がこの「4象限モデル」のどこにどのような影響をあたえるかを分析することによって、その後のストック量、賃料、不動産価格、新規建設着工面積がどのように推移するかを推し量ることができるといえます。
不動産バブルの形成や崩壊メカニズム、現在の不動産市況の実態を把握する上では、一定の有用性を与えてくれるものと思われます。もしご興味があり詳しくお知りになりたい方は、以下の参考図書をご覧ください。
「不動産投資分析-不動産の投資価値とファイナンス」
David M.Geltner/Norman.G.Miller(原著)川口有一郎(翻訳)<プログレス>
David M.Geltner/Norman.G.Miller(原著)川口有一郎(翻訳)<プログレス>
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















