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CREを実践する為の組織作り ~トップマネジメントとの連携・内部統制の観点も考慮する~
[2010年6月7日週刊ビル経営第671号掲載]
自社の保有する不動産を、適切に管理・運用し、出口としての売却・賃貸という手法の判断を含めて、戦略的に自社の付加価値を高めるような経営資源として不動産を活用するという考え方、いわゆる「CRE(Corporate Real Estate)戦略」という考え方、或いは言葉自体は、ここ数年、我が国にも浸透し始めてきている。
ただ一方で、その実践となると、未だその数は少なく、いずれの企業においても「必要性は感じているが、緊急性は感じられない」との意見が主流を占めるようだ。とはいうものの、国際会計基準へのコンバージェンスに代表されるように、企業不動産の評価も、これまでの取得原価を基本とした方式から、より時価を反映する会計方式に改められ、不動産市場の価格変動リスクが、企業経営、特に決算対策に直接的影響を与えるようになりつつあるといえる。
そのため本来は、事業経営に関わるあらゆる不動産の時価評価、管理状況、有用性の評価等をタイムリーかつ持続的に把握する仕組みや組織の構築が必要不可欠なのである。
そこでCRE戦略遂行において、必要不可欠なCRE組織について考えてみたい。これまでの我が国の企業における不動産の意識決定については、購入・売却は財務部門、賃貸借・修繕営繕等は総務部門というように、不動産の活用フェーズに応じて、担当部門が別個に存在しているという形式が通例であった。
よって、企業不動産に関する情報が内部においても散逸している場合が多く、責任関係が不明確となり、CRE戦略の推進にとって必要不可欠となる「不動産の取得から処分に至るまでの一貫した意思決定」が困難な組織体系になっていたといえる。CRE戦略が経営戦略との適合性・一貫性を重視する以上、CRE戦略を推進する部門は、「トップマネジメントと直結した組織」である必要があるといえる。
またこれは単にCRE戦略推進の観点のみならず2008年3月から金融商品取引法に基づく内部統制報告書の提出が義務化された、いわゆる「日本版SOX法」に照らし合わせた上でも重要な観点となる。
この制度では、適正な財務報告を実現するために、「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「法令等の遵守」「資産の保全」の4つを目的とし、適切に業務が実施されているか否かについて企業が内部統制報告書を作成し、それを監査法人などがチェックするというものである。
不動産は、企業の保有する資産の中でも大きなウェイトを占めるものであり、不動産のマネジメントは上記4つの目的のうち特に「業務の有効性及び効率性」や「資産の保全」などに大きな影響を与えるものといえる。
よって不動産に関する意識決定をおこなう組織・体制は、これら内部統制の観点から見ても、前述した「トップマネジメントと直結した組織」という点に加え、「全社横断型のマネジメント組織」であり、「自社の事業モデル全体を網羅的に理解している組織」であり、かつ「不動産に関する高度な専門的知識を有した組織集団」である必要があるといえる。
つまり当然であるが、単に不動産の知識に長けた組織集団では、なりたたないということである。不動産と経営との一体化を考えつつ、内部統制的視点も取り入れる。これが、我々が考える最適なCRE組織といえる。ただその組織を構成する人材の確保等、実践のためには解決しなければならない問題も少なくない。それだけに、今から将来を見据えたCRE組織づくりの一歩を進めるべきだと考える。
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船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。
















