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コンサルティングレポート

不動産管理ビジネスの業績アップの正攻法は個別最適化モデル

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[2010年9月6日週刊ビル経営第683号掲載]

不動産管理業の収益管理体制は個別対応で

不動産管理業は言うまでもなく、「1物件あたりから発生する収益」の積み重ねである。1物件当りの額は過小でも物件数が増える事により、「規模の経済性効果」、「経験曲線効果」などによって物件あたりコストは低減し、収益は拡大するというモデルである。
しかし経営的観点から事業を見る際に、往々にしてこの基本を忘れ、グロスで収益を分析し、課題や問題点を把握するケースが多い。つまり全社もしくや支社、或いはエリアごとで管理する対象物件の合計値としての売上、売上原価、粗利、販売管理費などから、管理事業の収益性及び課題点、その解決策を検討するというフレームワークである。
当然、これらの方法も、全体の傾向値、平均的な課題や問題点についてはある程度把握することは可能といえよう。しかしながら、これらの方法による分析結果はあくまでも平均的な傾向値に過ぎず、不動産という極めて個別性の高い商品から派生するビジネスの場合、その平均的な分析結果や、そこから導き出された課題や解決方法が全く当てはまらない物件も数多く存在する。わかりやすく言うならば、全社的方針として統一の施策を掲げるよりも(例えば、入居率をあと3%あげよう!)、それぞれの物件に対して個別に、かつ具体的な対策を講じる必要性があると言えるだろう。

「棟別収支管理」体制により事業構造そのものの改善を

そこで不動産管理業において、現在私たちがお奨めしている収益管理体制は「棟別収支管理」の体制づくりである。すなわち、売上もコストも全て物件当りに配賦して、「物件あたりの営業利益」、「物件あたりの経常利益」を把握するという考え方である。
例えば、単純にその物件から得られる管理収入からその物件にかかる管理原価を引いたものがいわゆる一般的な「物件粗利」であるが、さらにここからその物件に対して提供した付加的商品(例えばリフォームや商品販売等)の売上、そしてその原価も棟別に管理し棟毎の最終粗利を算出する。
その後、管理事業を回す上で主に変動費としてかかる費用(例えば営業マン人件費や販促費等)をこれまた物件毎に配賦し、物件毎の営業利益を算出する。更に、固定費(例えば事務所賃料や役員報酬等)を一定の基準に基づき物件ごとに配賦し、物件毎の経常利益を算出する。以上のようなフレームワークに基づき物件ごとに収益を管理するというモデルである。
これは換言すれば、全ての利益の源泉、そしてコストを負担する大元は「1棟毎の物件」であることを「見える化」させる行為とも言える。
変動費や固定費の配賦方法や基準は企業ごとにディスカッションし、納得性を高められるロジックを構築していく。つまりは会社全体としてPMモデル(管理不動産から生み出されるキャッシュが会社の利益の全ての源泉である)の考え方を全社員が理解・共有する必要があるといえるであろう。
確かにこの方法を実践するには、特に移行時の最初の段階は、かなりの煩雑な作業に時間と労力を取られるものである。しかしながらこの個別費用法を用いて、不動産管理事業を経営することは、その労力以上に高い価値を得られることができるであろう。
物件別に、収益を改善する上でのボトルネックや課題ついて「見える化」でき、その対策も具体的に講じることが出来るからである。それは即ち、全社的な事業構造やコスト構造の改善にもつながり、全社業績の向上に直結するものである。不動産管理ビジネスは、平たく言えば、この「面倒くさいことをどこまで細かくやりきれるか」にかかっているといえる。

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