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ビルマネジメントに不可欠な概念 LCCとLCM ~長期の視点で不動産の効率性を図る~
[2010年10月25日週刊ビル経営第690号掲載]
ライフサイクルコストとライフサイクルマネジメント
LCCとはライフサイクルコスト(Life Cycle Cost)の略称であり、企画・設計費、建設費、運用管理費および解体再利用費にわたる建物の生涯に必要なすべてのコストを指します。
一般的に建物のコストは、その建設費のみを対象として評価しがちであるが、実は建設費は生涯コストから見れば氷山の一角。その後の保全費や修繕費、光熱費等の額のほうが一般的に考えられているものよりもはるかに大きいといえます。
そもそもLCCの考え方は、VE(Value Engineering)手法、つまり、商品や役務(サービス)などの価値(製造・提供コストあたりの 機能・性能・満足度など)を最大化させるという体系的手法から発展したものであり、1960年代ごろから米国で発展してきました。
つまり、使用年数期間の総コストを正確に把握し、できるだけそのコストに対する効用を高めるという考え方であり、結果、総コストの決定ウエイトが高い企画・設計の段階でのライフサイクル計画が極めて重要であると言う事になります。
一方、LCMとはライフサイクルマネジメント(Life Cycle Management)のことであり、LCCの要素とともに、地球環境問題となる全体の二酸化炭素等の排出量、エネルギー使用量、資源使用量などを含んだ管理手法といえます。具体的にLCMの要素としては、生涯二酸化炭素等排出量(LCCO2)、生涯エネルギー使用量(LCE)、生涯資源使用量(LCR)や生産労働力(LCL)などが挙げられます。
ビルのLCMの目的は、ライフサイクルにわたり総合的にビルの効用の増大とビルの生涯費用の削減の面から検討考慮し、最適の代替案を選択していくことにあると言われています。それは、建物、設備の長寿命化を目指し、かつ建物、設備の機能・性能の発揮とその評価を行い、LCCを最小化させつつ、地球環境負荷を最小化させるというように、いくつもの命題を同時に満たすという高い目標に根ざしたものであるといえます。
これからのビルマネジメントには必要不可欠なLCCとLCM
ビルをマネジメントするという概念はプロパティマネジメントの範疇である一般的なビルメンテナンスや、リーシングマネジメント、コンストラクションマネジメントといった収益に直結する枠組みのみならず、このような長期の観点からビルの効率性や有用性を評価、診断する機能も重要視されつつあります。
特に近年では、建物の高付加価値化が進む事によって、建築コストの観点から見ても躯体よりも設備面の費用に占める割合が大幅に増大してきており、その価値の把握や減価の考え方についても、再度見直しを図るという傾向にあります。
ビルオーナーとしてLCC、LCMの考え方を持つ事は、ビルオーナーとしてビル経営を実践していく上では、今後必要不可欠な能力ではないかと考えています。一度皆様のお持ちの不動産のLCC、LCMの現状を把握されてみてはいかがでしょうか。
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