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今求められる「空室対策」について(パート2)~テナントターゲットを意識したソフト・空間としての部屋貸し~
リノベーションでも空室活用ビジネス参入でもない、本当の空室対策とは
前回の本コラムでは「今求められる空室対策について(パート1)」と題し、多くのビルオーナーにとって目下の緊急課題として挙げられる「空室対策」について、一般的な2つの方法論について言及させて頂いた。すなわち、1つはバリューアップ(リノベーション)。もう1つは貸し会議室やSOHOスペースのような「空室活用ビジネスへの参入」である。しかし私たちが本当に提言したい空室対策は別にあります。
その前提には、不動産賃貸事業を「スペースを貸す」という発想ではなく「テナントが求める機能・ソフト・空間を売る」という考え方からスタートしなければならないといえる。今や、オフィスにせよ、店舗にせよ、単に「ここにスペースが空いています。賃料は坪○円で、保証金が○円。今ならフリーレント○ヶ月つきます」という売り方だけでは、今の市況感ではテナントは全く付かないと割り切るしかないという決断が必要だ。
ターゲットマーケティングを活用した空室対策、スペースの商品化
つまりマスで顧客を捉えプロモーションや商品作りをおこなう「マスマーケティング」から、よりターゲットを絞り込み、そのターゲットに対してピンポイントなプロモーションや商品を作り上げる、「ターゲットマーケティング」に、不動産賃貸業(リーシング業)も変革しなければならないのである。
具体的には、例えば、オーナー側が当該物件に入居するに最適な業種や業態のターゲットイメージを明確に設定した上で、その業種が入居する際に、喜ばれるような状態に空間を作り上げるという意味である。すなわち、これは賃貸スペースという単なる「間」を「商品化」させることに他ならない。
その為には、この立地でこの環境であれば、当該物件に入居するに適した業種や業態、規模はどのくらいが最適なのかという一定のターゲットイメージを確立させる必要があるであろう。当然、商圏分析や競合調査など、マーケティング調査のノウハウが欠かせない。
「そんなことまで不動産オーナーがやるべきことなのか?」明らかなのは、これまでの不動産を保有するオーナーの立場がテナントより高く、「貸してやる」という時代から、今は、その他多く存在する不動産物件の中で自分の場所を「選択頂く」というポジションに変わりつつあるといえる。つまり供給側が力を持っていた時代から、需要側が力を持つ時代への変化である。
まさにこの変化は、あらゆる商品やサービスが、そのライフサイクルに応じて売り方やマーケティングの手法を変化させていることを見てみれば、この不動産賃貸業というビジネスにも同様の変化が起こりはじめていると理解できるであろう。
そう考えると、他の業界や他の商品と同様、そのライフサイクルの変化や環境の変化に適応できるオーナーとそうでないオーナーとに大きく二分され、今後一定の淘汰が始まるという流れもまた、他と同様に、起こり始めるのだといえるのではないだろうか。
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