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コンサルティングレポート

2011年の不動産市況を予測する(パート1)~2010年も「パッとしない」1年に終わった~

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[2010年12月27日週刊ビル経営第699号掲載]
今年も早いもので、年の瀬となりました。今年1年を振り返って、私の肌感覚での今年の景況感を一言でまとめるとすれば「パッとしない1年」と表現できると思います。
リーマンショックを契機に、世界的な信用不安が世界経済を悪化させた事を受けて、矢継早に実行された各国政府・中央銀行の財政拡大、金融緩和施策は、予想以上の効果をスピーディに発揮させ、米国を始め、世界恐慌の回避どころか、V字回復と言えるような成長率の回復を早期に実現したかに見える結果を残し始めていました。
しかし、今年に入りギリシャから始まったソブリン・リスク(外国の政府や中央銀行、外国地方公共団体といった事実上の外国国家に対する融資におけるリスク)の影響がまずは欧州、そして米国にも徐々に顕在化し始めました。リーマンショック対策に対する各国の「無理」が、顕在化したと言い換えることができます。
サブプライムローン問題、リーマンショックの直接的影響が比較的少ないはずの日本も、残念ながらこのような海外の流動的な景気の浮き沈みに振り回された1年だったと言えるでしょう。米国や欧州のリスクが高まると相対的に日本の円にお金が集まり円高が促進され、円高の促進は日本株全体の低迷をもたらすという、いつもの悪循環が未だ根強く見られた1年でもありました。
不動産市場に目を向けてみれば、法人需要と個人需要、実需と投資需要という見方によって市況感が大きく異なる1年であったようにも思われます。まず個人の実需(主に新築住宅着工)について振返ると、昨年と比較すれば軒並みプラストレンド。住宅エコポイントを始めとする政府の下支えもあって、戸建、マンションとも好調な伸びを示しました。価格が下落し、金利も低い値に定着するなか、「今が買い時感」がうまく醸成されたといえるでしょう。
一方、法人の実需については、一部の大手・優良企業を除いては、それほど大きく動いていません。言うまでも無く、法人の不動産需要は、その法人の投資活動の1つに他なりません。すなわち、生産規模の拡大や、従業員数の拡大計画等、将来への前向きな計画や予定がなければ、不動産需要は生まれません。その意味で、やはり各企業の現状の業績、及び将来見通しが、昨年よりはポジティブになったとはいえ、未だ不透明感が残る企業が多いというのが実情なのでしょう。
投資マーケットについても、法人・個人によって若干雰囲気が異なるように思います。個人の不動産投資市場は、再びワンルームマンション・コンパクトマンションが増えつつあるように、サラリーマンの不動産投資熱が若干あがりつつあると聞きます。ただしバブルのころのように、積極的な投資というよりは、現状の仕事に対する不安へのリスクヘッジ、すなわち消極的なモチベーションによる投資が多いと感じています。将来への不安から副次的な安定収入を確保しておきたいというモチベーションです。
一方、法人不動産投資市場を見てみると、REIT市場は日銀のREIT買入対応の影響もあり、若干強含みで推移しているというものの、投資市場そのものは新規の証券化案件は限りなく少なく、ほぼファンドに組み込まれている不動産のリファイナンス案件によって、若干、市場が動いている程度だろうという認識を持っています。
つまり、2010年は日本の景気全体も、不動産市況も、後一歩で復活しそうで、しなかった、また、諸外国に比べ良い条件がそろっているにもかかわらず、自律的推移ではなく、外からの影響に振り回されてしまうという、そんな不安定な釈然としない1年だったと言えるのではないでしょうか。さて、来年はどうなるか。それはまた次回お話したいと思います。

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