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業界トップインタビュー

対談:エスネットワークス 高桑昌也 氏 × 船井総研 吉崎誠二 Vol.2

IFRS(国際財務報告基準)の最新動向について語る Vol.2
IFRS導入についての日本企業の動向

Vol.1では、IFRSの最新動向についてお話しましたが、今回はそれに対する、導入する企業側の動向についてお伝えいたします。

株式会社エスネットワークス 取締役 高桑 昌也氏

吉崎: 前回のお話で、IFRSは実は自由度が高いというお話をしました。実際IFRSでは、自社にとっての自由度は広がるのですが、そう捉えている会社は少ないですね。
「また面倒なことが起こるな」、「また余計なコストがかかるな」と思っている会社が多いです。

高桑氏: 日本人は元々ルールがあった方が心地良いいんですよね。中学校や高校の校則や制服みたいに(笑)ですので、ルールがないと不安だし、「自分たちで会計ルールを決めろ」と言われても、実は不安なんですね。

吉崎: そうなんです。
ですので、どの段階で一気に広がるかが最近の興味ですね。最近公演などで、「普通、普通じゃない」、「変、変じゃない」理論というものをよく話しています。
つまり、“変かどうか”は、”少数派かどうか”ということで、「変」ということは”多数派から見た少数派”のことを言うのですよね。
日本人は元来、多数派に属していたい気持ちが非常に強い。

IFRSについても同じで、今は対応している会社に対して関心があるだけですが、過半数以上が導入してくる段階になると、導入していないことに対して不安になるときが来る。それがいつくらいなのかと思っています。

高桑氏: そうですね。 個人的な読みとしては、2013年3月期~2014年3月期で一気に転換してくると思います。そろそろやらなければならないという駆け込みのケースと、商社や銀行の準備が完了するのがそのくらい。

それに合わせてグループ会社も適応するでしょうしね。銀行系、商社系など。 ただそれが今すぐかというと、子会社の数が多いのですぐには対応できないと思います。

吉崎: IFRSの強制適用は確定したのですか。

高桑氏: 強制適用はまだ決まっていません。ただ、上場会社に関してはいずれ決まるでしょうね。

吉崎: 強制適用に関して言うと、ISOのときは各工場、役場に対して適応されなかった。そうすると、更新の際に面倒で「もういい」となるケースが多かった。そのときは過半数が取れなかったのでそうなったんですね。

そうなると一番の着目点は、どの期に多くの会社が導入するのか。モラトリアムを1年か2年で作るのでしょうが、2014年では1年しかないので、2013年3月でしょうね、ある程度の規模がある会社については。

高桑氏: そうですね。そのくらいの準備をしているでしょうね。

吉崎: 下勉強をするステージと、決断してもうやるステージと、決めてから分類などタスクを決め落とし込むステージ……色々あると思いますが、多くの会社はどのステージが多いのでしょうか。私は、勉強しているステージが多い気がしています。実際に、決心しているところはどのくらいあるのでしょうね。

高桑氏: 会社の規模と事業の複雑性によって変わってくると思います。事業が複数ある会社や国内外に子会社がある会社は、IFRS導入を決めていて、導入によるインパクトを調査していて、動いている会社が多いと思います。

一方で、単一の事業しかしていない会社や3月期決算の会社は、これから予算を取る会社が増えていますね。ある程度、書籍やセミナーなどのIFRS特集も一巡して情報は集まってきた。その中で、うちの会社で導入したらどうなるかという取り組みをそろそろ始めている。

吉崎: そうなると、昨年のIFRSセミナーは早すぎましたかね(笑)

高桑氏: いや、そんなことはないと思いますよ。
それなりに大きい会社は早く導入する必要がある。なぜ早くやらなければならないかというと、親会社本体だけでなく、子会社にも適応する必要があるので時間がかかる。そして、子会社には経理の人が決して沢山いるわけではないので、追加のマンパワーが必要となってくる。

あとは、実務上の論点でいうと、国内・海外のグループ会社を問わず、IFRSはグループの中では決算期を統一しなければならない。そこに意外に労力がかかるということです。

対談後の吉崎(左)と、株式会社エスネットワークス 取締役 高桑 昌也氏

吉崎: なるほど。そういうことなんですね。
最新の動向から、導入のタイミング、そこに至るまでのハードルまで理解できました。

今回はIFRSについて、業界全体の動向をお話いただきましたが、次回以降では、不動産に焦点を当て、M&AやJ-REITなどの動向も交えて掘り下げていこうと思っております。
ありがとうございました。





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(株)船井総合研究所 吉崎誠二

1997年 12月船井総合研究所入社。戦略プロジェクト本部 次長。
電鉄会社・大手ディベロッパー・ハウスメーカー・マンション関連企業、など、不動産関連業・住宅関連業を中心にコンサルティングを行う。
調査・分析から、経営戦略立案、商品開発、営業戦略構築 等これまで様々な業務の全体責任者として業務に携わる。
2006年~ 沖縄大学 人文学部 非常勤講師。



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