市場が成熟化するなかで、多くのビジネスにおいては
「個別最適の集合体が全体最適にはならない」
ものが多くなってきました。
つまり全体を俯瞰し、全体からみた個別の役割や
求められるものを把握し、全体最適を前提とした
個別の動きを進めていく方法論が必要不可欠な
ケースが多くなっています。
そんな中、不動産管理ビジネス(ストックビジネス)
のモデルにおいては、むしろ逆の思想や方法論が求められている
といえるでしょう。
不動産管理業の収益構造は言うまでもなく、
「1物件あたりから発生する収益」の積み重ねである。
1物件当りの額は過小でも物件数が増える事により、
「規模の経済性効果」、「経験曲線効果」などによって
物件あたりコストは低減し、収益は拡大するというモデルです。
しかし経営的観点から事業を見る際に、
往々にしてこの基本を忘れ、グロスで収益を分析し、
課題や問題点を把握するケースが多い。
つまり全社もしくや支社、或いはエリアごとで管理する
対象物件の合計値としての売上、売上原価、粗利、
販売管理費などから、管理事業の収益性及び課題点、
その解決策を検討するというフレームワークです。
当然、これらの方法も、全体の傾向値、
平均的な課題や問題点についてはある程度
把握することは可能といえますが、不動産という極めて
個別性の高い商品から派生するビジネスの場合、
その平均的な分析結果や、そこから導き出された
課題や解決方法が全く当てはまらない物件も数多く存在します。
そこで不動産管理業において、現在私たちがお奨めしている
収益管理体制は「棟別収支管理」の体制づくりである。
すなわち、売上もコストも全て物件当りに配賦して、
「物件あたりの営業利益」、「物件あたりの経常利益」を
把握するという考え方である。
換言すれば、
全ての利益の源泉、そしてコストを負担する大元は
「1棟毎の物件」であることを「見える化」させる行為といえます。
確かにこの方法を実践するには、特に移行時の最初の段階は、
かなりの煩雑な作業に時間と労力を取られるものです。
しかしながらこの個別費用法を用いて、
不動産管理事業を経営することは、
その労力以上に高い価値を得られることができるといえます。
物件別に、収益を改善する上でのボトルネックや課題ついて
「見える化」でき、その対策も具体的に講じることが出来るからであり、
それは即ち、全社的な事業構造やコスト構造の改善にもつながり、
全社業績の向上に直結するものであるからです。
不動産管理ビジネスは、平たく言えば、この
「面倒くさいことをどこまで細かくやりきれるか」
にかかっているといえます。
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