世界経済危機 日本の罪と罰
先月の半ばごろに出た本ですが、大変な良書だと思います。
「世界経済危機 日本の罪と罰」(ダイヤモンド社:野口悠紀雄)
野口さんの著書は以前から数多く読ませていただいており、
好きな作家?エコノミスト?の1人であります。
これまでも、再三主張されていたことを、非常にわかり易く、根拠を示しながら
今の世界経済危機の背景にある構造を、的確に捉えた良著だと思います。
例えば
○米国の金融危機の原因の1つとして、巨額の経常収支の赤字を
結果としてファイナンスした日本の「資本供給」に対する責任は大きい。
○今日まで円安は作られたものであり、「円安バブル」による恩恵を受けていた
製造業、輸出関連企業の成長モデルは崩壊
○日本が危機を乗り越えるためには、円高時にでも収益が得られるような
経済構造の転換及び貿易収支依存から所得収支依存への転換等が重要
なるほどなぁ~とうなづく事ばかりです。
以前、野口さんは
「モノづくり幻想が日本経済をダメにする―変わる世界、変わらない日本」
で、日本の製造業の構造的な限界と、金融部門の強化を主張されていました。
確かに日本は、戦後、勤勉な国民性も相まって、高い技術力を背景とした
製造業の発展により、経済が牽引されてきました。
それはそれで、素晴らしい事実なのですが、感じるのは、
次の産業、次の主役がなかなか出てこない。
世界に目を向けてみれば、ハードからソフト、
モノづくり業からサービス業へといった
大きなパラダイム・シフトが起こっているにもかかわらず。
バブル崩壊後、輸出立国モデルの変換がはかれていなかった故、
国も日銀も円安誘導による製造業の繁栄を後押しするしかなかった。
それによる日本経済の成長モデルしか見出さなかったのではないでしょうか。
なぜ日本に、アップルや、グーグル、アマゾンといった類の
企業が出てこなかったのか・・・ということなどを私などは考えてしまうのです。
不動産業界も旧態依然としたビジネスモデルで、ここ数十年歩み続けています。
(もちろん多少のマイナーチェンジといわれるものはあったと思いますが)
企業も業界も大きな転換点、パラダイム・シフトが求められるタイミングに
入ってきている事は間違いないように感じます。
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