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2010年01月22日

ターゲットが限られた商品のマーケティング

もともと嗜好性が高く、購入する層が限定されている、

もしくは総需要自体がそれほど大きくはない商品における

マーケティングについて、今日は考えてみたいと思います。

一般的には、大きく2つの方向性が考えられます。

すなわち、今の顧客層の購買頻度や買上点数を挙げてもらう為に

トコトン高品質にこだわるという方向性と、

今は買わない顧客層にも買ってもらうという需要の裾野を広げる

という方向性の2つです。

クラシック音楽のCD販売におけるマーケティングを想定すると

わかりやすいかもしれません。

「のだめブーム」があるとはいえ、まだまだクラシック音楽は

一般的にはマイナーな分野であります。

しかし一定数のコアな層もいて、クラシック音楽業界は、そんな

マニア層に支えられていると言えるでしょう。

で、通常は、「裾野を広げなきゃ市場の拡大はない」

ということで、初心者にもわかりやすいオムニバスCDや

シンフォニーの有名な楽章だけ取り集めたような

「いいとこ取りCD」をどんどん出したりします。

すると、今度はコア層から、

「なんだよ。こんな素人向けの企画ばかりだしやがって」

という反発を買うことになります。

これは言葉を変えて表現すると

「ブランドイメージを毀損されているような感覚になる」

ということなのかもしれません。

つまり一見すると、

嗜好性の高い、購入客層が限られている商品において、

顧客層を広げる事を目的としたマーケティングは、

メインの客層、ファン層が離れるというリスクもあわせもった

トレードオフの関係にあるように見えます。

そうだとすると、やっぱりメインの客層、コア層だけに絞った

小さな市場に甘んじるしか方法はないということになります。

さて、皆さんならどちらの方法、もしくはどのような方法を

選択するでしょうか。

私はこう考えます。

結論から言えば、上記2つの選択肢(コア層特化型か裾野拡大型)は、

両方とも必要な事なのだと思います。

ただ、今、この2つのマーケティング施策を同時に展開する企業の

多くが、この2つが互いに分離し、それぞれ全く別の施策として

認識されているケースが多いように感じます。

つまり、「初心者向けのクラシックオムニバスCD」を発売して

それからどうなんだということです。

そうです。初心者が真のコア層になってもらう為の

継続的な育成導線やプロセスに対するマーケティングがほとんどなされて

いないという点が気になります。

クラシックCDを年間1枚しか買わない人を、年間100枚以上買うという

コア層にどうならせるか。

本当に企業が独自で、市場の新たな需要を創出するというビジネスモデルに

チャレンジするには、この育成プロセスをもマーケティングで

プログラムしていく必要があると思うのです。

そしてゴールとしての、コア層、メイン層を想定し、質の高い

拘りの商品も取り揃えていく事で、当然、現在のコア層にもまた

支持される企業になり得るということです。

人口減少で総需要が減少していくこれからの日本の市場においては、

この継続的な関係の強化や顧客育成というマーケティング施策は、

これまで、顧客層に合わせて価格、品質、ブランドを変えて、

販売していたような他の全ての商品についても、

今後は必要不可欠な戦略となるような気がします。



当ブログ執筆者 久木田 光明 の所属する
総合不動産事業コンサルティングサイト
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