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2010年02月09日

賃料減額交渉事業に思う

近年の不景気のあおりを受けて、

各種コスト削減企業が攻勢を強めています。

その中で、固定費総額に占める割合も大きく、

利益に対するインパクトも大きい

「賃料」に対する削減交渉コンサルティング会社

なるものが、増えてきています。

試しにGoogleなどで「賃料減額交渉」というキーワードで

検索をしてみると、関連する企業が、驚くほど沢山抽出されます。

景気が低迷する中、オーナーは弱い立場にあります。

減額要求が通らないようであれば、退去するかもしれないという

見えないナイフを突きつけられながら、しかも反論するには知識も

情報も乏しいオーナー(特に地方の地主オーナー)は、

既に勝負をしかけられた時点で、フェアな戦いにはなり得ない

ケースが多いようです。

2006年~2007年頃、不動産ファンドが日本を席巻してた頃は、

逆に新しいオーナーとなったファンドが、テナントに対し強気の

賃料値上げ交渉を断行し、値上げが受け入れられないなら

出て行け(入りたいというテナントは他にも沢山いる)と

言わんばかりの交渉を進めており、一部では裁判沙汰にもなって

いたことを記憶しています。

このような現象をみるにつけ、

私は不動産から派生する賃料というものが、売買価格と比較して

その価格決定プロセスや価格の変動性について、極めて特異な

(不可思議ともいえますが)点が多いように感じます。

結局、本来賃料は売買価格と同様に、マクロ経済の状況や

その他のファンダメンタルズの実態と連動してボラタリティがあって

然るべきだと思っています。

下がることもあれば、上がることもある。

今、仮にテナントがオーナーに対して賃料を10%減額させたとするならば、

それは同時に、景気回復時には10%上昇させるだけの材料をオーナー側

に与える事に他ならないのです。

逆も同様です。

賃料減額交渉コンサルティング事業そのものに対して、否定はしませんが、

個人的には「長期的なスパンで見た賃料のボラタリティ」ということを

考慮した交渉をされているのかどうか、その点はいささか疑問に思います。

もちろん、市場価格からかけ離れた賃料に高止まりしているケースは

見直しの余地は十分にあると思います。

一方で、需要と供給、景気の好不況で決定される賃料である以上

むしろそのロジックを減額交渉で使う以上、同時に逆のケースも想定した

交渉をおこなうべきだと思います。



当ブログ執筆者 久木田 光明 の所属する
総合不動産事業コンサルティングサイト
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