グローバル・インバランス
今や一国の経済や不動産は、その国の単一の事情や政策だけでは
コントロールが不可能な時代になって来ました。
90年代の日本のバブル崩壊と
今回の世界的な金融危機の大きな違いもそこにあると言えます。
日本の金融機関だけが保有していた不良債権が問題となり
日本国内で完結したバブルと、今回の危機とでは
お金の流れが違い、スケールも違うのです。
そこで、今後の再発の可能性を含めて、考えなければならない事は
その「以前とは違うお金のながれ、スケールの大きさ」は何に起因
し、今後の流れはどうなのかという点です。
それを考える上で、押さえておかなければならないのは
グローバル・インバランス
という概念です。
グローバル・インバランスとは、世界的な国際収支の不均衡
という意味で、具体的には
恒常的なアメリカの経常赤字とアジアや中東諸国の経常黒字
をさしています。
この根本的な原因は、人口問題にあると考えられています。
つまり、米国では人口は依然として増加しているのに対し、
日本もそうですが、アジアやヨーロッパでは高齢化→人口減少
の流れが急ピッチで進んでいます。
つまり、人口が高齢化し貯蓄が増えつつあるアジアやヨーロッパのお金を
米国の若く旺盛な需要が借りて使っている
という構造が、70年代以降徐々に広まっており、
特に2000年に入って以降、このインバランスの拡大傾向には
拍車がかかっていました。
よって今回の金融危機の引き金となった
米国の住宅バブルもまた、そもそもは莫大な経常黒字をため込んだ
アジアや中東の国が、外貨準備をバックに米国に大規模な投資を行う
ようになり、この潤沢な資金が住宅に向かったと見る人も多いようです。
この見方は、日本でも一般的な見方と言える
金融危機の原因は、無節操な融資と金融工学を駆使した商品の破綻を
背景とするアメリカ発のサブプライム問題だ
という見方とは大きく異なります。
後者が原因であれば、それはボルガールールのように
投資銀行や金融関連の規制を強化し、モラルハザードを押さえる
ことによって、今回のような危機の再発は防げるかもしれません。
(それでもまた新しい技術が生まれ「イタチごっこ」になるという
感は否めませんが)
ただ、根源的な原因をこのグローバル・インバランスに求めると
するならば、また住宅とは別の対象物に移り変わった新たなバブルが
今回のような危機を誘発する可能性は十分にあると言えるでしょう。
グローバル・インバランスの解消は、その必要性の有無も含めて
そう簡単に解決は出来ない問題です。
問題の本質をどこに見るかによって、その解決策も全く異なってくる
という良い例と言えるかもしれません。
こういう話って民主党と自民党の政策の違いや、
私が日々出会うコンサルティングの現場での問題解決手法の選択の
際にも垣間見えることです。
本質を見る事は、難しい上にその正誤判断は、
後になってみないと分からない事が多いからなのでしょう。
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