無借金経営の功罪
日本のゼロ金利政策、量的緩和政策が、デフレ解消の効果に乏しい
原因として、「企業が借金をしなくなった」事が挙げられます。
データでそれを確認する為に、少し専門的に言うと
日銀の資金循環統計で示される企業部門の資金過不足が
90年代後半から資金余剰主体に転じて、2000年以降、
国内最大の資金超過主体にまでなっているということです。
2003年度の民間非金融法人企業の資金余剰は
名目GDP比7%を超えています。
これは80年代半ばまで国内最大の資金不足主体であった
という事実からすると、大きなマネーフローの変化だと思います。
原因は、バブル崩壊で痛い目を見た日本の企業群が、
過剰投資、過剰債務を見直し、リスクに対して敏感になり始め、
「2度とあのような痛い目にはあいたくない」
というトラウマ的心理要因が大きいとも言われています。
あとは、以前のように投資する事業や商品がなくなったということも
いえるかもしれません。
無借金経営は一企業レベルでは一見すると、
望ましい行為のように見えますが、果たしてそうでしょうか。
良く日本企業はレバレッジ戦略が足りないと言われますが、
負債を活用して利益を上げるという行為について、
日本人は何か心理的な抵抗感が働くのかもしれません。
マクロレベルでは、前述の通り、いくら日銀がお金の流れを良く
させるような政策をとっても、企業はお金を借りるどころか
返す行動ばかりに走っているので、狙ったような効果が実態経済に
反映されないという一種のパラドックスに陥っています。
その結果、日本はずーっとデフレは解消できていません。
国がいくら企業に銀行からお金を借りることを強く薦め、借り易い環境を
整えたとしても、企業の心理や実際の投資意欲、投資対象が
生まれてこなければ、お金を借りて使うことはあり得ない、それ程
今の日本は成熟した国になりつつあるということです。
非常に難しい問題です。
ただ根源的には、今後の国のグランドデザインをきちんと
見定めた上でないと、次の戦略はつくれないということだと思います。














