法人税引き下げ議論に思う
先日、鳩山さんが法人税率の引き下げについて言及し、
さまざまな議論を呼んでいます。
景気低迷により企業収益が減少し、ただでさえ税収が
減少するなか、景気刺激、需要促進の為の歳出は
増加する一方。
歳入と歳出の差を補うために発行する国債に至っては、
来年度は、国債の発行額が税収を上回るという異常な
事態に突入しています。
このような状況下において、法人税率を引き下げる事は
更なる財政規律を悪化させることにつながり、それと同時に
バラマキとまで揶揄される歳出を大幅に拡大させることは、
政策的に無理がある(実現の為には際限なく国債を発行
し続けるしか無い)という意見があります。
ただし、個人的にはこの「法人税率の引き下げ」に関する提言は
これまで成長戦略に乏しいと言われ続けて来た民主党にとって
珍しく(といっては大変失礼ながら)、日本が今後の成長
(ここでの成長はあえてGDPの上昇という意味に限定しておきます)
を考える上で有益な議論をされているなと感じます。
これまた先日、ネットやTwitter上でも話題になった
経済産業省が発表した
というレポートによると、
日本企業の実際の法人税負担
(※表面税率から政策減税等の調整を行った後の財務諸表ベース)
は国際的に高水準とはっきり言及されていました。
日本の法人課税負担率実績(06〜08会計年度平均/連結ベース)は39.2%
米国31.5% フランス31.2% 英国30.1%と続くものの、
韓国は23.8%、台湾、シンガポールに至っては13%台と
なっています。
やはり一般的に言われているように日本の法人税は諸外国に比べ
高いということになります。
それもあって、近年では外資系企業の日本撤退が目立っています。
ざっと挙げるだけでも
今やグルメの評価本の方が有名なタイヤのミシュラン
スーパーのカルフール
高級衣料のヴェルサーチ
オフィスデポ
生命保険では、PCA生命が新規販売を休止してます。
また、東京証券取引所に上場している外国企業は、ピーク時には
127社もあったものが、現在はなんと15社しかありません。
日本は人口減少時代に突入し、需要全体が縮小傾向にあると
いわれているものの、だからこそ既存の市場や産業の構造改革
・パラダイムシフトが必要なはずです。
その際に有効なのは、やはり規制緩和に代表されるような
競争環境の整備とあわせて、外国資本(お金、ノウハウ、人材)の
活用です。
日本国内の人口は減少し総需要はどうあがいても減少すると
覚悟するならば、需要も供給もこれまで以上に外に開かれた
環境をつくっていくしか方法はないのです。
(あくまでもGDP成長率を拡大していくことを最終目的と
するならばですが)
外資系企業や人材、また資本が、我が国に魅力を感じて
積極的に市場参入を行なっていく。そして既得権益と言われる
ような現状の国内大手企業と凌ぎを削る。
その中で日本の独自性、まさに差別的優位性を見いだし、
世界の市場で戦い勝利していく。
そのような企業戦略なり、国家戦略を持ってしなければ、
今後の日本の経済成長というものは、中々に難しいものと
言わざるを得ないでしょう。
そのような経済成長=GDP成長率の向上だけを目指すという
将来ビジョンで良いのかどうかという点も含めて
政治家のみならず、私たちも考える岐路に立たされているの
かもしれません。




10-09-06 








