日本は借金大国だ。
国・地方の債務(公債)の残高はGDPの180%に迫る水準だ。
これは破綻しかかったギリシャよりも断然悪い。
このネタは、テレビやニュースでもよく聞く話。
先日、たまたま参加したセミナーで
財務省主計局の役人さんからお話を聞く機会があったので
備忘録として、もう少し詳細な内容をここに記しておきたいと
思います。
まずは企業経営もそうですが、話をストックとフローに分けて
整理をしなければなりません。
上記で言われている話は
全てストック(過去からの積上げとしての現状)の問題です。
で、直近のフローはどうかというと、これが意外にちゃんとは
知られていません。
つまりは平成22年度一般会計予算の中身です。
最終的に歳出と歳入は均衡します。
22年度のその額は約92兆円
歳入をみると、そのうち純然たる税収は37兆円程度。
で、足りない分を公債金であてます。
それが少し鳩山さんのころ話題になった44兆円という枠。
実際22年度の公債金収入は44兆3000億程度と
その体裁を保っています。
お気づきの通り、22年度は予算の段階から
税収を上回る公債を見込んでいるという
大変異例な事態であるのです。
ただ、この44兆円と税収37兆円を足しても81兆円程度。
それでもあと10兆円あまりお金が足りません。
これがその他収入、巷ではよく「埋蔵金」といわれている
やつですね。
財政投資融資特別会計、外国為替資金特別会計
からのお金が含まれます。
この税外収入も過去最大。
でやっとつじつまを合わせて92兆円。
では歳出は?
まず公債費、つまり公債の利払いや債務償還費などが
なんと20兆円程度あります。
利子の支払いだけで20兆円です。
社会保障を中心とした一般歳出といわれるものは53兆円程度。
その他は地方交付税交付金等が17兆円程度で
締めて92兆円程度になります。
22年度の予算では21年度に比べ
まず、子ども手当てなどにより、社会保障関係費が
昨年対比10%近く増えました。
食料安定供給関係費という
これまた民主党の政策でやった「農家への個別所得補償」
ってやつの費用がかさみ、昨年対比30%以上増えています。
その分を、公共事業関係費をがつんと20%近く削減しています。
高齢化社会に入って、日本は自然増で社会保障費が毎年
1.3兆円増えるといわれています。
そんななか、歳出の切り詰め以上、
歳入の確保は日本の今後の行く末を占なう上で
死活問題となっています。
財政健全化に向けた取り組みについても、
このフロー(収支)とストック(残高)に分けて
考えなければなりません。
つまり、先にも述べたように、仮に単年度で全く借金を
しなくてもよいようになったとしても、借金の利払いがあるので
どんどん財政情勢は逼迫してしまいます。
ということで、まずはフロー(収支)を改善しましょうという話になって
国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を
遅くとも2015年度までに赤字対GDPを2010年度から半減
するという目標を立てています。
プライマリーバランスが均衡するという状態は
いわゆる公債の利払いや償還費を除いた
政策的経費が税収等でまかなえる状態を
さします。
つまりプライマリーバランスが均衡していたとしても
債務の利払いや償還費は借金で返すという考え方です。
ストックの借金はこれでも増え続けるということです。
そのプライマリーバランス対GDP赤字割合を
半分にという話ですから、ストックの赤字が減るのは
先の長い話です。
実際、政府の財政健全化目標においても
ストックについては
「2021年度以降において、国・地方の公債等残高の
対GDP比を安定的に低下させる」
という程度しか明記されていません。
とても苦しい状態であることが、理解できると思います。
現在、日本の国債が暴騰し、金利が低下しています。
昔からドルの暴落とあわせて日本国債の暴落は
2つの「オオカミ少年」といわれているようですが、
その日本の国債がデフォルトする日もまた、
本当に「オオカミ少年」で終わるのかどうか・・・
少なくともそんなに楽観できない状況にあることだけでは、
改めて十分に理解できました。
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