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2010年10月25日

ワンルーム投資でDCFは必要か

不動産投資の可否判断を行う上で、今や収益還元法による

分析・評価は欠かせない存在となりました。

単なる相対評価、いわゆる取引事例比較のみならず、

その個別の不動産が生み出す収益性をもとに、

今の価値を求めるという考え方です。

では、直接還元法にせよ、DCF法にせよ、このロジックは、

サラリーマンが初めて不動産投資を始めるようなワンルーム1戸や

中古マンション1戸のようなサイズの小さなケースでも有効なのでしょうか。

私が知る限り、このようなサイズが小さい不動産の投資案件の場合、

DCF法による投資分析がなされるケースは稀だと思います。

直接還元法的に提示されているケースであっても、

分子に使われる値はNOIではなく、単純な年間賃料総額。

(つまり、この値を投資額で割った数字を一般的は「表面利回り」

といったりしますが)

なぜか。

答えは単純だと思います。

つまりDCF法でキッチリ計算して、算出される物件価格は、

(少なくとも都内では)マーケット相場より、かなり割安になる

からです。

マーケットではもっと高値で取引されているということです。

さて、これをどう判断するか。

不動産会社やワンルーム投資を進めるディベロッパーなどは

当然ながら、理論的に算出すると割安に出てしまうような

評価手法は、できるだけエンドに見せたくないという

インセンティブが働くことは言うまでもないでしょう。

また、DCFによって算出された価格はあくまでも理論価格であって、

マーケットバリュ(実際に取引される価格)は、それを凌駕する

力を持っているという考え方も、一定の理解を得られるかもしれません。

しかしながら、買い手も売り手も本当のプロ的目線を付けるのであれば、

DCFによる理論価格を理解した上で、まさに理論価格とマーケットバリュの

スプレッドは、どこから発生しているのか、どんな要因が考えられるのか

そのリスクプレミアムや価格に上乗せすべきプレミアムは、どれくらい

見ておくのが合理的なのかというのを、理解、了解しておくべきだと

思っています。

先日ダイヤモンドオンラインにも寄稿した、持家と賃貸の比較においても

述べたように、定量的な側面で賃貸がややお得だったとしても、

現実には持家や持家志向の割合が圧倒的に多い日本では、結果、

持家を持つ事によって得られる、安心感や社会的信用といった

いわゆる「持家プレミアム」の値が大きいということになります。

ワンルームや中古マンション投資も、不動産会社のセールストーク

などにも良く使われますが、副次的な効果としての「節税効果」も

考えると、理論価格の値も多少変化することになるでしょう。

いずれにしても、売り手は正確かつ客観的なデータ・情報を明確に

提示することと、買い手はそれらの情報をきちっと分析・理解・納得

する能力が求められるということでしょう。



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