なぜ全体最適より部分最適が優先されるのか part2
前回、組織の運営を効率的に行なうために、
機能的につくったヒエラルキーやセグメントが、
いつの間に組織にとって、効率どころか非効率の原因に
なってしまっているという問題。
ここには「囚人のジレンマ」に代表されるような「ゲームの理論」に
関する問題が根付いているというお話をしました。
その解消方法の1つが前回触れた、そのゲームの枠組みを決めている
「ルール」を、組織における報酬や懲罰制度等で変えてしまうというものです。
しかしこれでは、根本的な解決にはならないということも最後に触れました。
あらためて協調・裏切りゲームの根本的な原因を考えると、
相手に対する信頼の欠如です。
「相手が自分を裏切るかもしれない」
という思いが、このゲームを成り立たせている理由になるのです。
「囚人のジレンマ」の構造は、東西冷戦問題を説明するのによく使われますが、
要するに2つの主体が対立的な関係になっていることが前提に、
語られるものです。
では、1つの企業や組織で、そもそもAチーム、Bチームは対立する
関係なのでしょうか。
まずはここを確認する必要があります。
根本的には、同じ会社であるはずなので、多少の僻みややっかみはあるにせよ
そこまで大きな対立を前提に考えるべきものではないはずなのです。
ここで、経営理念やビジョン、ミッションといったものの重要性が問われてきます。
同じ理念や思いを共有していれば、それほど組織同士が対立することもないし、
相手に対する信頼も持てる。
相手に対する信頼があれば、最も合理的な選択肢は互いに「協調行動」を取るという
選択になるはずです。
また、同一組織内でこの問題を考える上で重要な視点はこの両社の関係や
ゲームは連続的に続くということです。
すなわち「繰り返し型の囚人のジレンマ」というやつです。
一度きりの協調・裏切り問題と、それが連続的に続く場合とでは、その結果が大きく
かわることも実証されています。
最初に片方が一度裏切れば、2回目以降、もう片方も裏切る可能性が高くなります。
このように、組織における「全体最適よりも部分最適を優先する問題」については、
ゲーム理論のフレームワークを使って分析すると、非常にわかりやすく理解すること
ができます。
ただし、それは「理解できる」だけであって、その問題の解消には、
泥臭い「信頼」や「ビジョン」などをベースにしたマネジメントが必要不可欠だということ
だと思います。













