円高はいつまで続くか
昨日(19日)のニューヨーク外国為替市場で、
円相場が一時1ドル=75円95銭まで急騰し、
東日本大震災直後の3月17日につけた
戦後最高値(76円25銭)を約5カ月ぶりに更新しました。
この流れは予想どおり。
問題は、どこまでドル安円高が進むのか、どうしたら80円台に
戻るのかということ。
為替レートの決定メカニズムはいくつかあります。
昨日、Facebookで少し「友達」と議論になったのですが、
為替レートの決定メカニズムの中で最も感覚的にも分かりやすいのは
「購買力平価説」ってやつです。
中でもビックマック指数などが有名ですが、要は世界中で売られている
マクドナルドのビックマックの価格を比較することで、今の為替レートを
理論づけるというものです。
米国ではビックマック1つは4.07ドル。日本では320円。
購買力平価に従うと、1ドル80円ぐらいの計算になります。
しかし、その「友達」の見解では、
日本のマクドナルドではハンバーガーの単品価格を落として
客を引き寄せて、結果的にはセット購入させてサイドオーダー品で
利益を取る戦略をとっているので、ハンバーガーの単品価格は
他国よりも2割くらい安く設定されているはずだと。
つまり実質は80×0.8=64円くらい。
実際に米国で買い物や食事をした実感でも1$=60円くらいのイメージが
あるとおっしゃっていました。
一方で、変動相場制の元、貿易のみならず、資本の国際間移動が自由になった今、
購買力平価だけで為替レートを説明するには若干、無理があるというのが
現在の国際金融の主たる考え方のようです。
有名なのは、マコービッツさんが唱えたアセットアプローチ。
つまり為替レートは国際間での資産選択を通して決定される資産価格の一種で、
異なる通貨建ての資産の期待収益が等しくなるように決定される
と考える理論がだそうです。
通貨もまた、流動性をもって価値の変動性を持つ以上、実は国債や株、その他の
債券と同様、アセット(資産)の1つであると捉えます。
資産と捉えれば、他の資産と同様、
リスクフリーレート(国債の金利)+期待レートの変化率
がその通貨の期待収益率となります。
で、その期待収益率は、異なる通貨で比較した場合、
その2つの通貨の期待収益率が等しくなったところで
安定するということになります。
例えば、ドル金融資産の期待収益率が円金融資産の期待収益率よりも高い場合、
ドル金融資産に投資することになります。
すなわち、円を売ってドルを購入する動きが起こり、為替レートは、
ドル高円安に推移するというわけです。
この動きは期待収益率が等しくなるところまで止まるというわけです。
で、結局これはベースとなる国債の金利、ドル円相場であれば、
日米間の金利差で期待為替レートの変化率が決まるということになります。
この理論によれば、今の円高の根源的背景は、米国もゼロ金利政策を実施したせいで
日米金利差が縮まってきた事が大きな要因とみる事ができます。
その上、米国が大量にドルを刷っているので、更に追い打ちがかかります。
じゃー日本もどんどんお金をすればいいじゃん!となりますが、そう簡単な話でも
ありません。
日本にはバブル以降、バランスシート調整で企業のデレバレッジ(レバレッジを
効かせない=銀行から借金しない、返済する一方)が続いているために、
日銀をお金を刷ってベースマネーを増やして、マネーサプライを増やしても、
企業にお金が流れない。
で、結局たっぷり生まれたお金は国債を買うしかないという状況が
長らく続いています。
お金を刷ることに対しては日銀はインフレ懸念を含めて、かなり気をつかって
いるようですが、この「本来のお金の流れ」がうまく循環しない現在の構造にも
頭を悩ましているのではないかと思います。
要はバブル崩壊の傷からまだ完全に立ち直り切れていないということです。
ということで、少なくとも今のような米国の金融緩和が続く間は、
ドル安円高の圧力が常に増すものであると言わざるを得ないでしょう。
そういう意味では日銀の単独為替介入もあまり意味をなさないということになります。
次のポイントは、ジャクソンホールでのFRB議長、バーナンキさんの講演。
どうこたえるか?QE3をちらつかせるか?
26日、日本時間の23時から。大注目です。













