無形資産の価値
企業の価値は、バランスシートに記載されるもので全てが網羅
されているわけではありません。
バランスシートには反映されてない資産、すなわち無形資産もまた
企業にとっては大切な価値です。
近年では、むしろ有形資産よりも無形資産の価値の方が重要視される
傾向にさえあります。
市場が成熟化し、単純な事業モデルのみではキャッシュを生み出しにくく
なりつつある現代のあらゆる市場においては有形資産から生み出す
キャッシュフローはある程度、限定的なものにならざるを得ないと。
有形資産から生み出されるものは「持続的な競争優位の源泉」にはなり得ない
という意味です。
そこで、注目されるのが無形資産です。
狭義には商標や特許、技術やノウハウなど、広義にはブランドや組織、
ネットワークなどまで含まれるこれらの資産が生み出すキャッシュフローは、
実はかなり大きい。
日米の実証データによれば、近年多くの企業で無形資産に対する投資を
増やしているという結果も出ています。
無形資産の定量化は極めて難しいのですが、
簡単にいってしまえば、
あるべき企業価値(理論値)と総資産との差
ということです。
よって、無形資産の価値が正しくマーケットに認識されておらず、
時価総額が低い企業というのは、かっこうの買収の対象となるわけです。
低い時価総額で、バランスシートにはあらわれていない無形資産をも
獲得できることになるからです。
無形資産重視の観点からすると、一般的によく言われている
欧米型の「株主至上主義」という概念も、その矛盾を指摘することもできます。
つまり、株主に依存する資産とはすなわちバランスシート上の資産に限定
されるわけです。
無形資産は従業員をはじめとする株主以外のステークホルダーズによって
作られるからです。
実際、いくつかの企業では無形資産を定量的に評価し、それをバランスシートに
反映させる「実勢バランスシート」をつくっています。
企業経営を語る上で、または企業価値を向上させる上で、
今後ますます、この無形資産の評価とその価値づくりという論点は、
重要な視点になると言えるでしょう。













