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2011年10月04日

日本の国債消化力

カテゴリー:経済ニュース

日本の財政破たんに関するリスクが声高に叫ばれて久しい昨今。

かたや、「日本の国債もいよいよやばい。いつ破綻してもおかしくない」

という人もいれば

「まだ大丈夫。ギリシャとは違って国債の買い手のほとんどは国内

だし、家計の資金余剰は1100兆円もあるから」

という人もいて、この悲観論と楽観論、いったいどっちが正しいのでしょうか。

有名なエコノミストや金融機関の実務家でさえ、結構見方が異なります。

それだけに難しい構造をはらんだ問題であるのであろうということは

予想できます。

これの答えを考える上で、まず

「日本にはあとどれくらい国債を消化する余力があるのか」

という点を考える必要があります。

まず第一に先に挙げた、

「家計の資金余剰は1100兆円あって、日本の国債地方債残高977兆

に対してまだ余力がある」

という主張を未だにたまに見る事がありますが、これは極めてナンセンスな

表現と言わざるを得ないでしょう。

少し考えれば簡単なことなのですが、

たしかに国債に投資した主体の原資として、

家計の資金余剰は重要なファクターであることには間違いないのですが

1100兆円という値はストックベースでの数値なので、それはすでに

直接的にせよ間接的ににせよ様々なものに投資されているのです。


よって、この

「家計の資金余剰残高-国債地方債残高」

の数字をもって国債の消化余力というのは語弊があり、

「投資先の変更によって国債に投資が向かうかもしれない余力」

という見方が正しいと言えるでしょう。

つまり、「今は国債以外の何かに投資されているが、今後新たに

投資先を国債に変更することができる資金」

という意味です。

1470兆円という家計の資金や、1100兆円という家計の資金余剰は

直接的な国債投資金額ではありません。

家計から銀行預金にながれた資金を銀行が国債に投資し、同様に

家計から保険金準備金にながれた資金を保険会社が国債に投資している、

という流れが本当の構造です。

もちろん家計の預金残高や保険年金準備金の全額が

国債投資に流れいるわけではありませんが、それにしても

家計が直接的に国債に投資している額は31兆円と比較すれば

かなり大きな額になります。

このように、既に潤沢な家計の資金は多様な投資先に

投入されているのです。

よって、国内における、こと家計からみる国債消化余力とは

「投資先変更による余力」を見ているにすぎないと言えるです。

そうすると、家計資金余剰1100兆円が云々という議論は、

国債消化余力を議論する上では不毛であって、実際の主な国債投資家の、

今後の投資行動がどうなるかを予想するしかないと言えるです。

その意味で逆にキャピタルフライト的に、現在、日本国債に

投資されている資金が海外投資に変更されるリスクも当然あって、

そのあたりを緻密に予測・分析しなければならないと言えるのです。

よって、国債問題、財政破たん問題については、

もちろんプライマリーバランスの改善が全く見えないとか

消費税が上げられないとか

歳出に関するコスト削減がやりきれていないとか

フローベースの問題も沢山あるのですが、

現実問題としていつまで国債を下支えできる余力を保てるのか

どこが限界なのか(日銀の直接買入という伝家の宝刀を使えば

理論的には再現なく国債の発行はできるのかもですが)という点を

を予測する上で以上のようなストックベースでの議論を

細かく見ていかなければならないという事がいえると思います。



当ブログ執筆者 久木田 光明 の所属する
総合不動産事業コンサルティングサイト
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