リアルオプションとゲーム理論
労働集約的な産業から資本集約的な産業への転換が進む
産業経済環境の中で、更に高い不確実性を伴う現代では、
戦略や投資の意思決定の失敗がその企業に対して壊滅的なダメージを
与えてしまうケースが少なくありません。
よって、今多くの大企業における戦略や投資の意思決定の際には、
DCF法やリアル・オプション、更にはゲーム理論を使って、戦略選択や
投資の意思決定を下しています。
しかし、それぞれの分析ツール、単独ではその役割を十分に
果たせるとはいえません。
すなわち、戦略や投資の可否を静学的ではなく、動学的に時系列の
観点からその価値を把握するリアルオプション。
また競合他社の行動を予測した上で自社の選択肢を考慮する
ゲーム理論。
これらの2つの視点を組み合わせて、分析する手法が重要視されています。
例えば、想定した需要モデルに基づいて
「全員が投資する」
「だれも投資しない」
「自社は投資するが、ライバルは投資しない」
「ライバルは投資するが、自社は投資しない」
4つの戦略シナリオについて、それぞれのペイオフを算定するという
イメージになります。
戦略を選択する際の価値評価についても同じことが言えます。
これまで、ポーターにせよアンゾフせよ、企業戦略を語る様々な
フレームワーク、ツールは全て静的。すなわち、現状の外部環境や内部環境
の状況を客観的に分析し、やれコストリーダシップだとか、集中化戦略だとか
一定の条件に基づき決め付けるわけですが、現実の世界ではそうは簡単に
おさまらない。
それは将来の不確実性に対する柔軟性という視点も、戦略の価値として評価
するべきだというのがリアルオプション価値の算出です。
更には、それも競合の出方によって戦略の選択肢はいろいろかわるでしょう!
という視点が「ゲームの理論」の活用という事になります。
実は、コンサルティングの現場では無意識にせよ、このような「競合の動き」や
「将来の不確実性に対する柔軟性の価値」なども、十分に配慮し、意思決定を
おこなうようサポートしているはずなのですが、このようにいざ定量化して事前に
意思決定の際のツールとして使うというレベルになると、やりきれていない。
そういう意味で、大変興味深いツールとなりえるわけです。
この「オプションゲーム」の理論は、今後も研究対象として
深めていきたいと思います。














