リアルオプションとゲーム理論
労働集約的な産業から資本集約的な産業への転換が進む
産業経済環境の中で、更に高い不確実性を伴う現代では、
戦略や投資の意思決定の失敗がその企業に対して壊滅的なダメージを
与えてしまうケースが少なくありません。
よって、今多くの大企業における戦略や投資の意思決定の際には、
DCF法やリアル・オプション、更にはゲーム理論を使って、戦略選択や
投資の意思決定を下しています。
労働集約的な産業から資本集約的な産業への転換が進む
産業経済環境の中で、更に高い不確実性を伴う現代では、
戦略や投資の意思決定の失敗がその企業に対して壊滅的なダメージを
与えてしまうケースが少なくありません。
よって、今多くの大企業における戦略や投資の意思決定の際には、
DCF法やリアル・オプション、更にはゲーム理論を使って、戦略選択や
投資の意思決定を下しています。
企業が複数の事業を保有する多角化戦略は、一般的には
その有用性以上に、リスクについての懸念点が多いというのが、
このコングロマリットディスカウントという言葉には内包されています。
コングロマリットディスカウントとは、
企業全体の価値が、個別の事業部分の価値の総計に比較すると
低いという事を指します。
企業の業績を評価する際には、実はいくつかの見方があります。
「業績がいい会社」「パフォーマンスがいい会社」
といっても、その定義は様々です。
例えば、誰にとって「パフォーマンスがいい会社」なのでしょう。
経営者?従業員?株主?社会?
これによっても大きく異なります。
垂直統合戦略とは
ポーターさんがつくったバリューチェーンや、
一般的なサプライチェーンの中で今いるポジションから上流、または
下流に事業ドメインを広げる戦略の事を指します。
メーカーが卸事業も兼ねたり、小売りが製造にも参入したりと、
例を挙げれば枚挙に暇がありません。
この垂直統合戦略は、以前に比べると、その存在感が弱くなっていると
思われます。
リアルオプションの概念については、以前にもここで触れたことがありますが、
いろんな意味で今はこの価値の重要性を改めて確認する時期にあるように
感じています。
リアルオプションの概念から得られる重要なインプリケーションは、
事業環境が不確実であるとき、企業がいますぐの投資実施から生じる将来の投資
に関する権利の消失を機会費用とみなし、事業価値が投資コストを十分に
上回るまで事業への投資を延期すべきであり、さらに、不確実性が大きくなるほど、
機会費用を重大に考慮し、投資をいっそう延期すべきであるという視点が定量的に
捉えられるという事です。
ある会社が新規事業の立上を検討しているとします。
これまでやってきた事業をA事業。
今から立ち上げようとしている事業をB事業とします。
B事業には十分な将来性もあって非常に魅力的な事業。
しかし、この会社がわざざ自社で2つの事業を同時に行なう価値・理由が
「単に儲かりそうなビジネスを2つやってます」
というだけでは、あまりにバックリするわけです。
私たちは通常2つの条件をつけます。
1.2つの事業を持つ事によっていわゆる事業ポートフォリオの観点から
リスクが分散されるのか?
2.2つの事業を独立した別会社がそれぞれ単独で行なった場合の事業価値の
合計値を超える価値が、1社で行なった場合、創出できるのか?
この2つです。
1つ目はリスク分散の話です。
ただし、これには更にもう1つの制約を設けてみたいと思います。
それは株主の観点からみるとわかることです。
株主は保有する複数の株の持株比率をかえることによってこの
リスクの分散効果を容易に享受することができるわけです。
逆に、多角化経営とは1社の中に複数の事業を内包してしまうので、
株主自身ではそれらを動かす事ができないわけです。
つまり、株主が株式市場で享受できる分散投資効果と、多角化による
分散効果を比較するという視点が必要であるということです。
2つ目の視点は、一般的に範囲の経済性効果やシナジー効果といわれる
効果をちゃんと期待できるかどうかという話です。
単独で別の会社が経営したA事業の事業価値(A)
同じく単独で別の会社が経営したB事業の事業価値(B) とすれば
1社でA事業、B事業同時にやる価値は(C)は
(C)>(A)+(B)
であるべきなのです。
この(A)+(B)を超える部分が範囲の経済性効果やシナジー効果
によって得られる追加的に価値と言えるのです。
これから新規事業を立ち上げようとされれている方、また現在すでに多角化経営
を展開されている方、一度このような視点で現状を再評価してみる必要が
あるかもしれません。
大変、ご無沙汰しておりまして、申し訳ございません。
今日から8月に入りましたので、徐々にこちらのブログのほうも
再開させて頂きたいと思っています。
さて、今日のテーマは「リスクと事業戦略の関係」について。
一般的によく「ハイリスク・ハイリターン」や「ローリスク・ローリターン」
という言葉で、リスクとリターンの関係性、相関性について語られる事が
多いのですが、基本的にはこの
「損失をこうむる可能性と利益を得られる可能性は同程度」
というイメージはあながち間違ってはいません。
企業がもし全くリスク(下方リスク)を取らないとすれば、利益を得られる
ことはない、またはその可能性は極めて低いと言えるでしょう。
高いリスクをとれば、得られる利益が高くなる可能性も大きいということです。
つまり企業が選択する事業戦略とは、換言すれば「リスク選好」が可視化された
姿と言えるのです。
更に、この企業が選択する「リスク選好」と同様の選好を持つ株主を
この事業戦略が誘引するということも言えるでしょう。
結果、これらが事業の資本コストを最終的に決定するという構造が
見えてくるわけです。
震災以降、企業におけるリスク対策と言えばBCPや災害時の対策等に
注目の的が集中しがちではあります。
しかしリスクマネジメントという概念で言えば、リスクをとるという行為そのもの、
またそのリスクをマネジメントする行為そのものが経営そのものであり、
事業戦略の根幹に根付いたものであると言えるのだと思います。


