賃貸管理にせよ、分譲管理にせよ、そしてPM、ビルメンも含めて
あらゆる不動産管理事業において今、あらためて
生産性の向上という視点が見直されています。
その前提は
「顧客が払ってもよいと認める最高価格(WTP:Willingness to pay)
が年々減少している」
からといえます。
企業の利益とは言うまでもこのWTPとコストの差です。
根本的には、付加価値をつけてWTPを挙げるか、生産性向上や
諸処のコスト削減努力によってコスト全体を削減するかの
いずれかにしか、その方法はないわけです。
しかし顧客からみて不動産管理に支払う費用は、基本的には安いに
越したことはないわけです。
顧客にとって不動産管理という業務は本業ではなく、
本業をささえる「シェアードサービス」の一部です。
管理会社は顧客から見ればこの「シェアードサービス」を
アウトソーシングする際の「サービスベンダー」に他ならないといえます。
自社のコア事業ではない部分については生産性の観点から
積極的にアウトソーシングするべきだという考え方が、一昔前には
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などと呼ばれ、話題となりました。
逆に言えば、顧客から見ればアウトソーシングされている不動産管理業務は
コスト以外の何者でもないということ。
当然、コストはできるだけ抑えたいというのが顧客の思いです。
では、管理会社はどうするか、それに対応した値づけにチャレンジするしか
ありません。
その際に、コスト構造がそのままであれば、当たり前ですが利益は減る一方です。
だから生産性を上げるしかない。
生産性をどうあげるか。
これも上記の考え方を逆に利用できます。
管理会社としてコアな業務以外については極力サービスベンダーを利用して
アウトソーシングするという発想です。
内製化する業務と、外注する業務を、「生産性」という基準をベースに明確に
分離していくという考え方です。
もちろんアウトソーシングは、アウトソーシングに根づくリスクも少なくありません。
製造メーカーをはじめとする日本企業の多くが、以前に比べ
「垂直統合戦略」から「得意機能特化」、「大きい事はすばらしい」から「スピード経営、
筋肉質経営」へ移行する中、管理会社の経営もまた、機能特化、コアコンピタンス特化
に体質を改変させていく必要があるのだと思います。


