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コンサルティングレポート

総合型不動産企業における事業の価値とは

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[2009年9月14日]

~ストック時代を勝ち抜くためには事業間シナジーが不可欠~

企業の最も大きな目的の一つとして「事業の継続」が挙げられます。言うまでもないことですが、「事業の継続」にはその事業が価値を生み出さなければなりません。さて、その「事業価値」、御社ではどのような評価をしているでしょうか。
今回は、不動産開発や仲介、管理など複合的に不動産関連事業を営んでいる「総合型不動産企業」にフォーカスして利益の捉え方について考えていきます。
どのような会社でもよくありがちなことですが、「○○事業は好調だ」とか「△△事業は今期はだめだなぁ」というような評価をされています。これを総合型不動産企業に置き換えてみると、「仲介事業の利益は前年にも達していない」、「管理事業の利益は着実に成長しているなぁ」などと事業を評価されているのではないでしょうか。
それでは総合型不動産企業においては、一事業一事業ごとの利益がいくら上がっているかで、その事業の価値を評価してもよいのでしょうか?
ここで、総合型不動産企業が複合的にどのような事業を行っているか確認してみます。 まず、不動産企業の事業内容を整理してみますと、大きくは次の5つに大別されます。
  1. 開発:土地を仕入れ建物を建てる
  2. 仲介:売主と買主の取引の間に立って、取引成立に向けて活動する
  3. 賃貸:建物を有償で貸す
  4. 管理:建物設備の保守点検や賃料・共益費の徴収など建物維持管理をオーナーに代わって行う
  5. 再生:建物の経年劣化した性能や機能の原状回復や機能を向上させる改造・変更する
そして、この事業群は各事業間での連動性を保有しています。 例えば、自社で管理している賃貸物件で、空室が発生した場合には入居者を募集して、仲介をする。
このケースは管理事業における管理物件に対し、仲介事業にて仲介料が発生することで、両事業に利益が計上されます。 また別のケースで、日常メンテナンスをしているマンションで、共用部や専有部のリフォーム/大規模修繕を行う。これは、建物管理事業における管理物件に対し、再生事業にて改修工事高が発生しているケースです。
このように、1物件に対して複数の事業で利益を獲得できる。つまり、1顧客(物件)に対して、いくつの商品(事業)を提供できるかで、企業全体の利益が決まってくるのです。
これを言い換えると、例えば、A事業に対して、損をすることを覚悟で物件の新規開拓用事業と位置付けるとします。このときに、A事業単体で評価すると利益が出ていない事業となりますが、A事業で獲得した物件に対し他の事業で利益を上げれば、企業としての業績は向上することになり、A事業は新規開拓用事業として評価は高いと言えます。したがって、自社として、その事業の役割(新規開拓用事業なのか、収益事業なのかなど)を明確にした上で、事業価値を評価することが必要です。
このような事業価値評価を行うためには、一戸一戸、一棟一棟の物件において、自社の事業がどのように収益を上げ、どのように費用を掛けているかという捉え方をしなければなりません。 「物件当たりの収益」という捉え方をすることで、見えてくることがあります。
例えば、自社の新規物件獲得用事業にふさわしい事業は何か、収益事業は何か、最も効率的な組み合わせは何かなどです。(その組み合わせは、物件特性やエリア特性への依存もあるため、分析することは大変ですが。)
この「物件当たりの収益」という考え方での事業価値評価をお勧めいたします。

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(株)船井総合研究所 経営コンサルタント 久木田光明

船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。



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