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コンサルティングレポート

不況期に強いビジネスモデルとは ~販売代理から「購買代理」という発想~

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[2009年12月3日]

不況期でも業績が好調な企業の共通点

先日から上場各社の2010年3月期第2Qの決算発表が続いている。昨年のリーマンショック後の急激な景気後退は、我が国も業種・業界を問わずあらゆる企業に大きな影響を与えている。直近では、少しずつではあるが景気全体に底打ち感を感じられるようになり、最悪期は脱しつつあるという認識も共通のものとなりつつある。とはいうものの、それは「昨年からの奈落の底に落ちるような状況と比較すればいくらかマシ」という程度のものであり、まだまだ景気浮上の力は極めて弱いといえるだろう。
そんな中でも、業績を飛躍的に向上させている企業がいくつか存在する。その多くは景気後退という時流に適応した商品やサービスを販売している企業である。一般消費者に対しては「デフレ対応型商品」を取り扱っている企業である。ユニクロ、日本マクドナルド、ニトリ、世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズの傘下にある西友など、低コストを追求し値下げを先導しているこのような企業群は「価格破壊」をテコに収益を伸ばしている。しかし、今回、私が取り上げたい不況期における業績向上の為のキーワードは、この「価格破壊」ではない。
今回ご紹介したいのは、今伸びている企業に共通する別のキーワード、それが「購買代理ビジネス」である。まず初めに「購買代理ビジネス」についての簡単な概念を説明しておきたい。かつて、需要が供給を大きく上回る時代は、市場の主導権は供給側にあり、その供給をサポートする、代理するビジネス、いわゆる「販売代理ビジネス」というモデルが、様々な業界で生まれた。
しかし、バブル崩壊を経て、市場が成熟化し始めると、需要と供給のバランスが逆転してしまい、市場では需要側、つまりお客様のほうが主導権を握るようになった。そうすると、販売代理というビジネスモデルの存在そのものが不必要なものとなり、多くの販売代理ビジネスは衰退し始めた。そこで生まれたのが「購買代理ビジネス」、つまり主導権を握ったお客様に成り代わって、購買の代理、サポート、情報提供などを行うというビジネスモデルである。
その草分け的存在であり、代表的な企業が10年3月期中間決算でも売上、利益とも対前年で140%近い増収増益を実現している「(株)カカクコム」である





価格.comのビジネスモデルから見る「購買代理ビジネス」の強さ

「カカクコム」と聞くと耳慣れない読者の皆様も、「価格.com」という名を聞くとピンと来る人が多いのではないでだろうか。そう、あらゆる商品の価格比較、口コミサイト「価格.com」を運営している企業が(株)カカクコムである。
インターネット及びインターネット販売(e-コマース)が日本にも普及し始め、お客様が手に入れることができる情報が無料かつ膨大になった頃、お客様は次に「情報の選別と信頼性」を求めるようになった。そこで価格.comはネット上にあふれる情報を整理、比較し、しかも実際の購入者の声を口コミという形で反映させることで、お客様からの支持を勝ち取った。
ビジネスモデルとしてはまさに「購買代理」というものであり、お客様に成り代わって商品の選別や購入に必要な情報を収集、提供をおこなっている。もちろん収益の源泉は、サイトに登録する店舗(供給側)からの加盟料や広告収入なのだが、これも顧客の圧倒的な支持を獲得しているからこそ実現できることであり、その力は大きい。


同様に、全く業種は異なるが、最近私が個人的にもお世話になった「保険見直しビジネス」も盛況だ。複数の保険会社の商品を取り扱い、現状の保険の見直しを主たる業務とするビジネス。これもまさに「購買代理ビジネス」といえよう。
入り口は、コストダウンやできるだけ安いものを購入したいという動機であったとしても、そのニーズの根源には「供給側に寄らずに客観的に自分にとって必要かつ有益な情報を選別、提供してくれる」とウォンツがあることを、私たちは気づかなければならない。

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(株)船井総合研究所 経営コンサルタント 久木田光明

船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。



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