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コンサルティングレポート

2010年を賃貸住宅市場を予測する ~持家以上に厳しい貸し家、空室率の改善がキー~

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[2010年1月25日]

2010年の住宅着工は引き続き低迷が続く

2010年最初のテーマは今年の住宅着工、中でも賃貸住宅の動向について考えてみたい。2009年の新設住宅着工戸数は1月~11月時点の合計で約72万戸。前年同期比で30%近い減少になります。通期では100万戸割れどころか80万戸割れが確実で、この数は1964年以来、実に45年ぶりの結果となる。リーマンショック以降、住宅に関する需要は低迷が続いており、2010年もその流れは続くものと言われている。
そんな中、最新の11月の統計では、全体としては12ヶ月連続で前年同月比を下回っているが、持家のみを見た場合、14ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなったのである。
これは、住宅ローン減税や長期優良住宅制度の導入などといった政策効果が徐々に出始めた結果と言えるのではないだろうか。 では、住宅ローン減税の対象外である貸家の現状と今後の動向はどのように理解、予測できるのか、少し考えてみたい。

賃貸住宅市場も弱含み

貸家着工戸数の近年のピークは2006年~2007年の第2四半期までであろう。その後は建築基準法改正に伴う影響に加え、サブプライム問題による信用不安、更にはリーマンショックによる世界的な不況の影響もあり、新設の賃貸住宅もまたその伸び率は低迷している。要因としては、第一に空室率の上昇やそれに伴う家賃の下落による住宅投資意欲の低下が挙げられる。
06年~07年時のピーク時は、不動産ファンドやREITが扱う投資用賃貸物件が大幅に増加したことによる影響が大きい。今や外資はもちろんのこと、国内資本においても日本の不動産に投資しようという機運は未だ整っていない。特に住宅はオフィスや商業施設と比較すると、安定的な収益を確保しやすいという利点がある一方で、投資的魅力に乏しいという欠点もある。よって不動産市況が回復したとしてもそれが即座に賃貸住宅の着工にあてるポジティブな影響は限定的であろう。 また需給関係は悪化しており、空室率は上昇傾向にある。それに伴い、家賃も下落し、収益性が悪化している。
加えて、前述の通り、持家着工が住宅ローン減税の効果で下支えされているのに対し、賃家は制度の対象外であるということも、新設着工を下方に引っ張る要因になっているといえるであろう。
先行きについては、地価の下落や低金利の持続により、建築コストの下落は賃貸オーナーにとってはポジティブなトレンドといえよう。初期投資額が減少することによって、投資採算性の向上、投資回収期間の縮小が期待されるからである。しかしながら、今後の市場環境を鑑みると、空室率の上昇もそれに伴う賃料下落リスクの拡大も、その改善は難しく、建築コストの下落というメリットのみでは、そのリスクを囲い込むことはできないと言わざるを得ない。 よって今後数年間は、持家以上に貸家は、厳しい状況が続くことが予想され、着工戸数は横ばいから微減の間を推移すると予測する。
あくまでもマクロの市場予測ではあるが、賃貸住宅市場に関わるビジネスを進める上で、最低限おさえておきたい動向であるといえる。

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(株)船井総合研究所 経営コンサルタント 久木田光明

船井総研内に発足した不動産ビジネス専門のコンサルタント集団 リアルエステートビジネスチーム(REBチーム)のプロジェクトリーダー。「脱業界常識」をコンセプトに大手から中堅、中小に至るまで多様な企業に対応したコンサルティングを提供。最近は不動産金融分野への進出も始めている。



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